富士登山道のルート比較

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富士登山に臨む場合、どの登山道を使ったら良いかを比較検討してみました。

 

≪富士山の登山口、登山道(ルート)について≫

富士山の登山口は、現在、船津口(ふなつぐち)、吉田口(よしだぐち)、須走口(すばしりぐち)、御殿場口(ごてんばぐち)、富士宮口(ふじのみやぐち)が「富士山五口」と呼ばれています。

北側から南側に時計回りに

(北側:船津口※、吉田口)

(東側:須走口、御殿場口)

(南側:富士宮口)

と並んで存在しています。

※ちなみにですが、船津口は別名で河口湖口(かわぐちこぐち)とも呼ばれて、船津口登山道というものが存在します。船津口登山道は富士スバルラインの西側を並走しています。

また上記の登山口の内で、山梨県側にある船津口(河口湖口)と吉田口についてですが、船津口からのルート(船津口登山道)が途中の六合目で吉田口からのルート(吉田口登山道)と一つのルートに合流するため、総称して「吉田ルート」と呼ばれます。

従って、五合目から山頂へ登頂するための登山道としては、吉田口登山道、須走口登山道、御殿場口登山道、富士宮口登山道の計4つのルートが存在することになります。これらの登山道はルートごとに標識の色が統一されていて、吉田ルートは黄色、須走ルートは赤色、御殿場ルートは緑色、富士宮ルートは青色となっていますので、覚えておくと道に迷うことなく便利です。

登山ルート

富士登山には4つのルートがあります。富士登山のルートには大きく分けると、吉田ルート、富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルートがあります。

それぞれの特徴をあげると、

吉田ルート : 山小屋や救護所などの施設が多い。初心者向けと言われる。
富士宮ルート : スタートの5合目が最も標高が高く、頂上まで最短で行くことができる。
須走ルート : 森歩きから始まり、比較的混雑も少ない。砂走りの下山道も楽しめる。
御殿場ルート : 距離は4つの中で最長。下山は1歩で3mも進むこともできる大砂走りを体験できる。

となります。

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≪登山に適した時期は?≫

富士山の登山シーズン(開山期間)は7月上旬から9月中旬までです。山梨県側ルートの吉田口は7/1から9/14まで。静岡県側ルートの富士宮口、須走口、御殿場口は7/10から9/10までとなっています。(2014年)

≪富士山の気象は?≫

標高3,776mの山頂付近は、五合目の登山口との標高差は1,000m~2,000mあり、気温差は10度以上、麓との気温差は20度以上になる場合があります。御来光のために深夜に登るのであれば、氷点下に近い寒さとなることもあります。また山頂付近は常に強い風が吹いています。風速20mを超え、立っていられないほどの強風になることもあります。雷や濃霧などが派生することもあり、十分な注意が必要です。

≪富士登山の大敵!高山病≫

登山者の最大の敵となるのが「高山病」です。高度があがるにつれて、大気中の酸素が薄くなり、体内の酸素が不足して引き起こされます。発症すると、頭痛、吐き気、めまい、倦怠感など登山継続が難しくなる状態になります。高山病は登山者の3割がかかるといわれ、発症してしまったら、下山以外に改善方法はありません。

高山病をできるだけ防ぐためには?

・登山のスタートである五合目で最低1時間は滞在し、高度に体を慣らせましょう。
・ゆっくりペースで登りましょう。
・こまめな水分補給をしましょう。
・頭痛の原因となる頭の冷えを予防するのため、帽子をかぶって登りましょう。
・ときどき深呼吸をしましょう。
・山頂に到着しても、ゆっくり落ち着いて歩きましょう。

 

≪五合目(新五合目)の標高を比較してみると?≫

各登山道の五合目(新五合目)の標高を高い順に並べると下記のようになります。

富士宮口登山道(富士宮口5合目):2400m

吉田口登山道(富士スバルライン5合目):2305m

須走口登山道(須走口5合目):2000m

御殿場口登山道(御殿場口新5合目):1440m

五合目(新五合目)は自動車道の終点、つまりクルマで登ることができる最高地点を指しますので、標高が最も高い富士宮口登山道と最も低い御殿場口登山道では、同じ「五合目」から歩き始めたとしても残りの道程になんと約1000mもの高度差があることがわかります。というわけで、四つの登山道のうち富士宮口登山道が最もアドバンテージが高い位置から出発することができ、最短距離での登頂が可能ということになります。逆に、山頂までのアプローチが最も長距離となる御殿場口登山道は、富士登山ルート中で一番過酷であり、最難関と言うことができます。

 

≪プリンスルートを使って富士登山道のいいとこ取りをしよう≫

プリンスルートとは、2008年8月に皇太子殿下が富士山に初登頂されたときに辿ったルートのことで、水ヶ塚公園からシャトルバスで富士宮口五合目→富士宮口登山道を登る→途中の新六合目から富士宮口登山道から離れて標高2693mの宝永山方面へ、宝永火口を下に望む宝永山の連絡道(御中道)を通り東側の御殿場口登山道の六合目へ接続する道へ向かう→御殿場口登山道を登る→七合九勺の赤岩八合館にご宿泊→翌朝、頂上へ向けて出発し御殿場口山頂に到着(御来光)→火口をお鉢巡り(時計回りに約1時間30分)→下りは御殿場口下山道で豪快な大砂走りを楽しまれた後、御殿場口五合目に到着、というコースです。

登りのルートでは五合目の標高が最も高い富士宮口登山道のアドバンテージを利用するとともに、途中からは通行量が少なく人混みと混雑を避けてマイペースでいられ(富士宮ルートは静岡県側の登山道では最も通行量が多い)、かつ御来光が楽に拝めるエリアである御殿場口登山道を選び、また下りでは大砂走りなどが使えることで下山がしやすいなど、数々の利点が計算されバランス良くミックスして活かされた、とても堅実で効率的なルートになっています。

※山小屋を利用する場合は事前に予約をしましょう。
※山小屋の利用料金は現金精算です。クレジットカードは使用できません。

登山専門誌「岳人」2014年7月号(6/13発売 東京新聞発行)には、皇太子さまが富士山にまつわる思い出を綴った随筆を寄稿されています。随筆は自ら撮影した写真などとともに8ページにわたって掲載され、その中で皇太子さまは、世界遺産登録により「富士山の存在が広く知られ、その大切さがより深く認識されていくことを願ってやまない」と思いを述べ、ご自分が「富士山の日」の2月23日生まれであることを紹介。かつて学習院初等科1年の頃に、校舎から富士山を眺めて「ぼく、あんまりうれしかったので、おくじょうから、おっこちそうになりました」と書いた作文を引用し、富士山への親しみを表現されています。皇太子さまは1988年に富士登山に初挑戦されましたが、この時は悪天候のため途中で断念。20年後の再挑戦で頂上を極め「雄大な景色に見惚れるうち、長年来の夢が叶い、初登頂できた喜びもひしひしとわいてきた」と振り返っています。

 

≪御来光が拝める場所はどこか?≫

吉田口登山道:北東側斜面のため御来光はどの地点からでも拝むことが可能。利用する登山者が多いため頂上に行く場合は八合目から上が渋滞になりやすいルートです。

須走口登山道:東から北東側斜面に位置するため樹木帯を抜けた新六合目以上の場所であれば御来光を拝むことが可能。

御殿場口登山道:南東側斜面に位置するため御来光はどの地点からでも拝むことが可能。

富士宮口登山道:南側斜面のため登山道や山小屋から御来光を拝める場所は限られている。もし御来光を拝みたい場合は日の出の時間に合わせて登頂する必要があるルートです。

 

富士山の日の出の時間※について調べてみました。(※計算地点は富士山頂、標高3776mとしています。「日の出」時刻は太陽の上辺が地平線に一致する時刻としています。暦は2013年調べです。当然ながら観測地点の場所、高度によっては日の出時刻にズレが発生しますので、その点ご了承のうえ、十分に余裕を持って行動ください。)(情報提供元:自然科学研究機構 国立天文台)

日付 日の出時刻 方位
2013/07/01 4:21 58.7
2013/07/02 4:22 58.8
2013/07/03 4:22 58.9
2013/07/04 4:23 59.0
2013/07/05 4:23 59.1
2013/07/06 4:24 59.2
2013/07/07 4:24 59.4
2013/07/08 4:25 59.5
2013/07/09 4:25 59.7
2013/07/10 4:26 59.8
2013/07/11 4:27 60.0
2013/07/12 4:27 60.2
2013/07/13 4:28 60.4
2013/07/14 4:28 60.6
2013/07/15 4:29 60.8
2013/07/16 4:30 61.0
2013/07/17 4:30 61.2
2013/07/18 4:31 61.4
2013/07/19 4:32 61.6
2013/07/20 4:33 61.9
2013/07/21 4:33 62.1
2013/07/22 4:34 62.4
2013/07/23 4:35 62.6
2013/07/24 4:36 62.9
2013/07/25 4:36 63.2
2013/07/26 4:37 63.5
2013/07/27 4:38 63.7
2013/07/28 4:39 64.0
2013/07/29 4:39 64.3
2013/07/30 4:40 64.6
2013/07/31 4:41 65.0
2013/08/01 4:42 65.3
2013/08/02 4:43 65.6
2013/08/03 4:43 65.9
2013/08/04 4:44 66.3
2013/08/05 4:45 66.6
2013/08/06 4:46 67.0
2013/08/07 4:47 67.3
2013/08/08 4:47 67.7
2013/08/09 4:48 68.0
2013/08/10 4:49 68.4
2013/08/11 4:50 68.8
2013/08/12 4:51 69.2
2013/08/13 4:51 69.5
2013/08/14 4:52 69.9
2013/08/15 4:53 70.3
2013/08/16 4:54 70.7
2013/08/17 4:55 71.1
2013/08/18 4:55 71.5
2013/08/19 4:56 71.9
2013/08/20 4:57 72.3
2013/08/21 4:58 72.7
2013/08/22 4:58 73.2
2013/08/23 4:59 73.6
2013/08/24 5:00 74.0
2013/08/25 5:01 74.4
2013/08/26 5:02 74.9
2013/08/27 5:02 75.3
2013/08/28 5:03 75.8
2013/08/29 5:04 76.2
2013/08/30 5:05 76.6
2013/08/31 5:05 77.1
2013/09/01 5:06 77.5
2013/09/02 5:07 78.0
2013/09/03 5:08 78.4
2013/09/04 5:08 78.9
2013/09/05 5:09 79.4
2013/09/06 5:10 79.8
2013/09/07 5:11 80.3
2013/09/08 5:12 80.7
2013/09/09 5:12 81.2
2013/09/10 5:13 81.7

 

≪混雑状況を比較してみると?≫

各登山ルートの2012年の利用者数を多い順に並べると下記のようになります。

吉田ルート:189,711人

富士宮ルート:77,755人

須走ルート:35,577人

御殿場ルート:15,462人

最も登山者が多い吉田ルートの利用者数は、最も少ない御殿場ルートの10倍以上の混雑であることがわかります。

ちなみに、登山者数はどのようにしてカウントされているのでしょうか?

環境省では2005年以降吉田口、須走口、御殿場口、富士宮口の各登山ルートの八合目付近にそれぞれ赤外線感知方式の無人カウンター(太陽光発電パネル付き)を設置し、自動で通過者を数えています。データは計数機まで出向いて読み取る必要があり、山梨、静岡両県にある自然保護官事務所の職員がパトロール時に分担してデータを回収している。ただ、回収作業は各県1人ずつの自然保護官補佐が担い、パトロールは「1〜2週間に1回」(沼津自然保護官事務所)という。カウンター設置位置については、全ての登山口からの利用者を把握するため、山小屋の協力を得て設置しています。協力山小屋は、吉田ルート:太子館、須走ルート:見晴館、御殿場ルート:赤岩八合館、富士宮ルート:池田館。計測機器については、赤外線反射を利用してセンサーにより通過人数をカウントする仕組みとなっていて、日時、方向(上り下りを識別)が記録され、日ごとの登山者数等を把握することができます。カウンターの数値と補正については、カウンターが濃い霧に反応していることが確認されているため、実測データはカウンターの誤作動の結果を含む可能性があることから、各登山道の実測データに対して1秒以内に連続カウントしている部分は、霧による誤作動とみなし排除するという補正を行っているとのこと。

ユネスコ世界遺産委員会は、今後の富士山の保全管理に向け登山者の受け入れ能力の把握を求めている。登山者数の即時把握にはほど遠い現状で、登山者増に伴う安全対策や危機管理への影響も懸念されます。登山者数増減などの基礎データは山梨県側との入山料(富士山保全協力金)の協議にも欠かせず、対応が急がれます。

 


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2013年8月1日、環境省関東地方環境事務所から7月1日から21日までの期間に富士山八合目以上を訪れた登山者が昨年同期より35%(2万511人)多い約7万9057人に達したと発表されました(吉田ルート:47,453人、富士宮ルート:17,024人、須走ルート:9,990人、御殿場ルート:4,590人)。この数字は統計を取り始めた2005年以降最多の数値で、6月の世界文化遺産登録の影響とみられるということです。7月1日から8月31日の登山シーズン全体での最多記録は2010年の約32万人で、今夏はその数字を上回る可能性が高いとみられています。

特に今年は御殿場ルートと須走ルートの登山者数が急増していて、前年同期比でそれぞれ167%増、188%増となり、静岡県交流政策課の話では「混雑を避けて登山道の選択肢を広げる人が増えたのでは」という。

→静岡県は8月8日、7月1~31日に静岡県側の三つの登山口から計6万5360人が富士山に入山したと発表。山梨県側の吉田口からは10万4919人が入山しており、7月の登山者は合わせて17万279人となります。静岡県側ではこれまで、環境省が各登山道の八合目付近に設置している赤外線カウンターの通過者の数値などを登山者数としてきましたが、「登山者数を正確に把握し、観光振興などにつなげたい」と、今年から全三つの登山口の5~6合目に赤外線カウンターが新たに設置されました。

→7月1日から8月18日にかけての五合目、六合目付近で集計した登山者数が発表されました(8月29日、静岡県)。富士宮口が6万4239人、御殿場口が1万7029人、須走口が3万3191人。合計は11万4459人でした。唯一比較可能なデータがある御殿場口は、前年同期比8770人増。これらの数値はいずれも環境省が八合目で計測している数値とは別の地元の市町が計測・集計した指標。静岡県交流政策課「7月後半以降は登山者数が落ち着いてきているようだ。世界遺産登録に伴う混雑を予想し、登山を見合わせるケースもあるのでは」とのこと。

→9月6日、静岡県が7月1日から8月31日までの夏山シーズン中の登山者数を発表。静岡県内3登山口の合計登山者数は13万9783人(内訳は富士宮口が8万538人、御殿場口が1万8557人、須走口が4万688人)。昨年とカウンターの位置が違うため正確な比較ができない登山口もあるが、御殿場口では昨年比でほぼ倍増。これらはいずれも登山口を有する地元の市町が5合目から6合目で計測・集計した数字で、環境省が8合目付近で計測している数値とは別の指標。山梨県側の吉田口の23万2682人(前年同期比1万3934人減)(山梨県富士吉田市による計測・9/1発表)と合わせると、登山者数は計37万2465人となった。

→9月10日、環境省が7月1日から8月31日までの登山者数を発表。31万721人(前年同期比7844人(2.5%)減)となりました。内訳は7月の入山者は合計13万6328人、8月は17万4393人でした。世界文化遺産の登録効果で大幅増加が見込まれたが、渋滞緩和や環境保全を目的としたマイカー規制強化などが影響、ほぼ前年並みの数値となった。登山道別では、山梨県の吉田ルートが17万9720人(前年比5.3%減)、静岡県の3ルート合計は13万1001人(内訳は富士宮ルートが7万6784人(前年比971人(1.2%)減)、須走ルートが3万6508人(931人増)、御殿場ルートが1万7709人(2247人増))で前年比2207人増加。2013年は御殿場口を除く3つの登山口につながる道路でマイカー乗り入れの禁止期間を拡大した結果、吉田口と富士宮口は前年を下回った。2008年に30万人を突破して以来、増減はあるもののだいたい30万人前後で推移しています。環境省では「登山道にもたらす影響など、保全の観点での登山者数は今後の検討課題になる」としています。

→12/16、静岡県議会企画文化観光委員会。観光政策課によると、2013年夏の外国人登山者数は1万1091人で、2012年夏の7287人のおよそ1.52倍だった(夏山期間中に富士宮、御殿場、須走の3登山口で登山指導や案内をする富士山ナビゲーターが集計)。ナビゲーターの聞き取りでは、中国、韓国、台湾の東アジアの国や地域の人が中心で、米国人やフランス人の登山者も多かったという。

 

≪山開きの状況(登山期間はいつから開始?)≫

2013年の登山シーズン(例年7月から9月上旬)を前にした登山道・下山道の事前調査が行われ、残雪がほとんどない吉田口登山道は7月1日の山開き当日に山頂まで登ることが可能(山梨県発表)。同じく、須走口登山道と御殿場口登山道についても山開き当日に登頂が可能(静岡県発表)。静岡県側の登山道が開山日当日に登頂可能となるのは7年ぶりといいます。残る富士宮口登山道については新7合目までの開通で、山頂まで登ることが可能となるのは7月8日になる見通し。富士山の山頂を一周する富士山頂周回線歩道(通称:お鉢めぐり)のコースについては、残雪があって危険なため7月5日(金)まで全面通行止めの状態です。7月6日(土)より、剣ヶ峰の北側を除く区間で、通行止めが解除される予定になっています。

→富士宮市と市観光協会、山小屋経営者などでつくる表富士宮口登山組合は安全対策や環境整備に関する要望を静岡県へ申し入れた。2013/12/5、須藤秀忠市長や宮崎善旦市観光協会長らが県庁を訪れ、川勝平太知事に要望書を手渡し、7月上旬は残雪が多く、山小屋の受け入れ態勢も整わず、危険であるとし、山頂の山小屋やトイレ開設などの準備期間を考慮し、富士山開山時期を従来の7/1から10日遅らせて7/10〜9/10(例年1日の富士山本宮浅間大社の開山祭を10日にずらし、山小屋の営業開始も10日以降に。また、これまで8/31だった閉山日を9/10に延ばす)にするよう提案。要望書には富士宮口5合目の公衆トイレ新設やマイカー規制延長なども盛り込まれ、本年度定めた富士登山のガイドラインについても、登山道閉鎖後の通行を禁止するなど、見直しの必要性を指摘。宮崎会長「富士山を守ることを第一に考えれば、観光振興にもつながる」と規制の必要性が強調された。

→2013/12/20、山梨県は吉田口登山道の2014年夏の開山期間(例年7/1〜9月上旬まで)を延長し7/1〜9/14までの期間で試行する方針を明らかにした。吉田口5合目まで続く有料道路「富士スバルライン」の来夏のマイカー規制実施期間を決める検討委員会で、麓の市町村長らに提示された。マイカー規制については県が提案していた7/10から8/31までの53日間(2013年の31日間より22日増加し過去最長日数)で正式決定した。

→2014/2/4、須走口(小山町)と御殿場口(御殿場市)の行政機関や山小屋関係者がそれぞれ協議会を開き、新たに7/10から9/10までを開山期間とする静岡県などの提案に合意。既に合意している富士宮口を含めて県内3登山口では、これまで7/1から9月の第1日曜の翌日までを開山期間としてきた従来に対し、10日後ろにずらした開山日程を基準に関係機関が準備を進めることになります。御殿場口の神事は従来通り、開山式は7/17、閉山式は8/31に実施する。須走口は神事日程も新たな開山期間に合わせて実施する方向で調整するという。
静岡県側の登山ルートは残雪の影響で開山が遅れることが多いため、開山日を後ろにずらすことで調整してきた一方で、山梨県・吉田口では7/1から9/14までとする開山期間の延長に合意済みで、両県で開山期間のずれが生じる可能性は高い状況になっています。静岡県側では残雪によっては開山日をさらに後ろにずらす可能性もあるといい、8合目以上で吉田口と合流する須走口の山小屋関係者は「雪かきによる登山道の荒廃など影響も大きい。携帯トイレの投棄も心配」と懸念を示し、山梨県側との開山期間統一に向けた交渉を継続するよう訴求。

 

≪トイレにご用心≫

山頂の公衆トイレは7月5日まで使えないそうです。そのため、山頂近くの山小屋で早めにトイレを済ませることを促し、携帯トイレの持参も呼び掛けられる状況となっています。

山頂には環境省が管理するトイレと、山小屋などのトイレが計2ヵ所あります。環境省のトイレは6日、山小屋のトイレは10日に運用が開始される見込みとなっていて、トイレの開設時期としては例年通りの日程なのですが、今年は登山道の開通が予想より早まり、7月1日の開山日での登頂が可能となったことで、山開きからトイレが使えるようになるまでの5日間について対応が求められることになりました。トイレ開設の前倒しは、使用する水などを運び上げるブルドーザーの運搬ルートが残雪の影響で通行できず、難しいそうです。

山頂に最も近い山小屋のトイレは、御殿場が7合9勺(しゃく)目の赤岩八合館、須走が8合5勺の御来光館となっています。山頂までの往復時間の目安は、それぞれ2時間程度とされています。

静岡県は、須走口5合目と御殿場口新5合目などに山頂のトイレが利用できないことを知らせる看板を設置する予定で、観光政策課では「富士山に限らず山を汚さないことは登山者のマナー。万が一に備えて携帯トイレの持参も勧めたい」と協力を求めています。

※トイレの利用には協力金が必要です。100円玉の用意を忘れずに。

◎富士宮口山頂付近公衆トイレ(バイオ式)
供用期間:2013年7月6日(土)~
供用時間:4~16時
チップ:300円

◎吉田口山頂付近山小屋トイレ
供用期間:2013年7月7日(日)~ 一部
※気象状況の関係で供用期間がずれる可能性あり
チップ:300円

 

【2013年7月6日放送「情報7days ニュースキャスター」(TBS)】

山開き後初の週末を迎えた7月6日の朝は、風速20mの強風に見舞われましたが、多くの登山者が訪れています。(吉田ルート)

しかし軽装備で登ろうとする無謀な登山客が少なくないそうです。

中にはこんな人も、と紹介されたのは、足元が短パン、裸足にサンダル履きの中国人女性登山者。サンダルでの登山は危険きわまりなし。裸足に草履やビーチサンダル姿の日本人男性もちらほら。装備不十分な人が少なくないといいます。

シンガポールからの登山客一行は服装もTシャツ1枚。これでは上に行くほど低くなる気温に耐えられません。「簡単に登れると思っていたけど、甘かったですね」とインタビューに答えていました。山頂は真冬並みです(参考までに当日14時の富士山頂の気温は摂氏5.3度でした)。

山開き後の人出は例年のおよそ2倍といいます。本八合目のトモエ館も大賑わいです。夏休みの山小屋もすでに8割程度が予約で埋まっているそうです。

安全対策は怠りなく!

山梨県鳴沢村、有料道路の富士スバルライン5合目の駐車場は入りきれないクルマで渋滞し、午前中から利用1時間待ち状態。

静岡県内で最も登山者が多い富士宮口ルートにも7月8日の冬期閉鎖の全面解除を待ちきれずに、頂上を目指そうとする登山者が続々と詰めかける状況となり、新7合目より先の通行止め区間で登山者の転倒事故も発生しました。

静岡県警は7月中旬にも富士宮口と須走口に臨時派出所を開設し、期間は昨夏より10日前後延長予定だといいます。

富士宮口8合目にある衛生センターは7月26日から8月19日まで開所し、医師と補助員の2名体制で対応することになっています。

→富士宮署は8月23日、富士宮口5合目夏山臨時警備派出所の開設期間を9月1日まで7日間延長し、登山者事故や窓口案内に対応すると発表。同署によると、今夏の開設は当初7月12日から8月25日までを予定していましたが、登山者の増加に伴い、救助要請が昨夏と比べて倍増しているのだそうです。登山指導や遺失・拾得物受理の必要性もあり、開設延長を決めたといいます。派出所があるだけで不安が一つ減り、たいへん有り難いことだと思います。

→9月5日、静岡県警では2013年7月1日から8月31日までの開山期間中(夏山シーズン中)の山岳遭難事故発生状況が公表されました。発生件数は79件(前年同期比45件増)、遭難者数は81人(前年同期比40人増)で、いずれも1973年の統計開始以来、最多となった。うち28件が弾丸登山を起因としていた。死者は1人(前年同期比1人増)で7月20日に44歳の男性が山頂で倒れ、救急搬送後に帰らぬ人となった。病死とみられる。負傷者は29人(前年同期比14人増)。事故の内訳は、高山病など発病が42件(前年同期比33件増)。高山病は途中で十分な休息を取らない弾丸登山の人に目立ったという。続いて転倒20件(前年同期比13件増)、疲労12件(前年同期比3件増)など。

今期は登山者の増加を見据え、山頂に山岳救助隊員を常駐させるなど態勢を増強していましたが、特に週末はひっきりなしで事故対応に追われた。世界遺産登録を機に、不慣れな登山者が多数訪れたことが増加の要因とみられ、県警地域課「簡単に登れる山ではないので、来期は体力に見合った登山計画と準備を呼び掛けていきたい」

 

≪携帯電話の電波状況 どこまで繋がる?≫

携帯電話各社によると、富士山では四つの登山道の麓に基地局が設置され、山頂方向に電波を発信することで各登山道をカバーしている。陰になる火口外縁(お鉢)でも利用可能にするため夏山期間は山頂に臨時中継局を設置するが、閉山前の8月下旬頃には撤去される。ドコモの広報担当者「山頂以外は季節や天候に関係なく利用可能。ただ、大きくくぼんだ地形や登山道から外れた場所の電波状況は悪くなる可能性がある」実際、富士宮口、御殿場口両登山道の間にある御殿場、裾野両市境では麓でも圏外になることがあるそうです。ただ、冬季閉鎖期間ではさらに携帯電話で連絡が取れない状況が多発し、レスキュー隊の捜索を困難にするようです。2013年11月に石川県の男性会社員が遺体で発見された遭難事故では、男性の携帯電話と麓の基地局の通信記録があったが、発信場所は基地局からの大まかな方角しか判明せず、居場所は特定できず。また12月に京都府の男女4人が滑落し2人が死亡した事故では、パーティーの持つ携帯電話がつながりづらく、偶然居合わせた別パーティーの所持する別会社の携帯電話で警察と連絡を取ったとされる。御殿場署によると、寒さで電池切れ※になるケースも多く、風の雑音で話が聞き取れないことも多い。市街地では絞り込める位置情報も詳細が分からず、捜索に活かし切れないという。氷点下20度を下回る極寒と突風が吹く富士山特有の気象も不通の大きな要因なのだ。御殿場署の担当者「携帯電話を過信しないで」静岡県警は「夏山以外の入山は原則禁止」とし、捜索に役立つ登山計画書の提出がなければ登山の中止を求めています。※フル充電されているバッテリーでも寒冷な気温下では電圧が保てなくなるため、電池切れと同様の状態になります。ポケットに入れておくなど機器や電池自体を温めておき、出力が下がらないよう工夫をすることが必要です。

 

≪弾丸登山は危険≫

富士山を徹夜で登って下りるいわゆる「弾丸登山」の危険性を指摘して、地元の山梨県と静岡県が2013年6月5日、旅行業者や登山者に自粛を呼びかける要望書を観光庁に提出しました。富士山が世界文化遺産に内定し、両県は今夏の登山者が増えると見込んでおり「世界文化遺産登録で富士山観光は関心が高まっており、危険な弾丸登山の自粛を全国に呼びかけたい」と、余裕を持った富士登山を呼びかけています。山梨県と静岡県は7月1日の山開きまでに旅行会社の業界団体や山岳団体、日本政府観光局にも同様の要望を行うことになっています。

弾丸登山とはバスやクルマで登山口に到着後、夜間のうちに徹夜で一気に山頂へ登って御来光を拝み、すぐに下山する山行のことです。睡眠不足で疲れやすい上に、日の出の時間に合わせようと先を急ぐため、怪我をしやすいともいわれます。3000m級の山の高度に体が順応するための余裕もなく、高山病になる危険性が高まります。山梨県によると、年間約37万人の富士登山者のうち、少なくとも3割が弾丸登山だといわれています。

2013年5月15日には、山梨県の横内正明知事は登山者の増加が予想されることから「条例で登山道利用を規制することも視野に対策をとる」という考えを示しました。この日の記者会見で知事は、夏山シーズンの頂上付近の混雑が世界遺産登録でさらに激しくなる可能性を挙げ、登山道の規制などを念頭に「場合によっては条例を作らなければならない」ということでした。また「ご来光」を眺めるため、山小屋に泊まらずに夜通し登る「弾丸登山」の影響で、明け方の混雑も激しくなっているため、弾丸登山の禁止条例も「検討の対象になる」という考えだということです。

山梨県の横内正明知事は8月6日、5合目での夜間入山制限と富士山有料道路(富士スバルライン)の夜間閉鎖を検討する考えを明らかにしました。これまで「法律上、通行規制は困難」と慎重でしたが、横内知事は「社会的な必要があればできるのではないか」と強調し、山梨県での条例制定を視野に入れているという。また、開発抑制策に関しては、現行法の規制基準で十分かどうかの精査が必要、との見解を示しました。

→2013年11月15日、富士宮署で開かれた「富士登山者対策検討会」で、静岡、山梨両県警担当者14人が今夏を総括し、今冬と来夏の対策を申し合わせた。静岡県警地域課の山城達也課長「両県警が足並みをそろえ、山岳事故防止の対策を取っていきたい。関係機関との連携も必要」とし、来年の夏山シーズンを見据え、両県警は山岳遭難事故の要因になっている弾丸登山の抑止策として3項目をまとめ、両県など関係機関に要望することを決定(要望の時期は未定)。また冬山シーズン中は富士登山ガイドラインに基づいて登山計画書の提出を徹底させ、安全指導を強化するとしています。抑止策3項目では、夏山のマイカー規制中、山小屋の営業終了後も続いているシャトルバス運行は、弾丸登山を助長する恐れがあるとして、運行時間の見直しを求める。マイカー規制の対象車両を、観光ツアーバスにも拡大するよう要請する。「富士山ライフセーバー」(仮称)など民間の力を活用した山岳救助態勢の構築を提案する。とされています。

 

≪夏山登山シーズンが終了(登山期間はいつまで?)≫

山梨県、静岡県では、富士山が冬山期間に入るため、両県の4登山道を9月2日(月)正午に閉鎖すると発表(2013/08/26)。ちなみに登山道は例年9月の第1日曜の翌日に閉鎖されています。登山道の閉鎖によって、世界文化遺産登録後初の夏山登山期間(夏季シーズン)は閉幕することになります。静岡県によると、強風や低温など気象条件が悪化し、山小屋も閉鎖するなど、今後、登山者の安全確保が困難となることが理由です。閉鎖解除は来年2014年7月1日の予定となっていますが、冬季の積雪の状況によっては遅れる可能性もあります。両県によると、山梨県の吉田ルートは5合目から頂上まで、静岡県の富士宮ルートは6合目から、御殿場ルートは新5合目から、須走ルートは5合目から、いずれも頂上までが通行止めとなります。

富士宮ルートの5合目から6合目については、例年11月下旬まで原則通行可能となっています。環境省、静岡県、山梨県、富士山麓市町などでつくる協議会が2013年7月に策定した「富士登山ガイドライン」によって、9月2日正午以降のオフシーズンに登山に訪れる場合は登山計画書の作成・提出が求められることになります。富士登山ガイドラインによると、登山計画書は行程、メンバー、緊急連絡先などを記入し各登山口のポストや現地の警察署に提出します。携帯トイレの持参が必要で、軽装など準備のない登山は「禁止」となります。

→2013/12/17、山梨県は2014年夏は9/14まで吉田口登山道を開放する方向で地元と調整中だという。例年登山者の安全を考慮して9月第1日曜日までとしていたが、対策を講じた上で夏山期間を延長する見通し。また横内正明山梨県知事は同日、来夏の富士山有料道路(富士スバルライン)のマイカー規制期間を7/10~8/31の53日間(2013年夏の1.7倍)に拡大する案を地元市町村長に提示。入山規制に関わる両案について山梨県は12/20に地元関係者との検討委員会に示し方針決定を目指すという。

 

≪夏山に感謝の別れ 粛々と閉山式≫

8月31日、須走口と御殿場口で閉山式が行われました。

須走口登山道の玄関口の構成資産・冨士浅間神社(小山町)では約60人が登山の安全に感謝し、礼拝。須走ルートは開山直後の7月に登山者が激増。冨士浅間神社でもツアー客の参拝が増加。しかし、例年は混雑するお盆休みや8月の登山者は昨年よりも減少。小山町観光協会の斉藤礼志会長「マイカー規制拡大の影響も考えられる。秋以降も、構成資産を中心に町全体の賑わいに繋げたい」

御殿場市の新橋浅間神社の神事には約100人が参列。マイカー規制の無い御殿場口では登下山者の合計は近年最多の4万人を超えた。観光関係者は「祭りなどの来場者も増えた」と喜び、富士宮口5合目へのアクセス強化や下山道の利用促進PRを要因に挙げた。一方で、新5合目駐車場内でのテント設営、中腹への子どもの放置などのマナー違反も相次いだ。若林洋平市長「冬山対策も含め、ルールやマナー啓発が急務」

→9月7日、富士宮口の閉山式が富士山本宮浅間大社(富士宮市宮町)で行われました。お祓いの後、中村徳彦宮司が2ヵ月にわたる開山期の終了を報告する祝詞をあげ、参列者が玉串を奉納。氏子や観光関係者ら約50人が集まり閉山祭が執り行われました。静岡県内で最も富士登山者が多い富士宮口、最多6件の構成資産を有する富士宮市では、当初登山者激増や経済効果も予想されましたが、市観光協会の宮崎善旦会長「山小屋も観光施設も思ったより混雑しなかった」今後の課題として「入山規制と観光経済の戦略バランス」が挙げられました。

また同日、御殿場市では、わらじ奉納祭が行われ、富士山御殿場口の夏山のシンボルとして2ヵ月の間、市内に飾られていた長さ約3mの大わらじ2体を、神事の後に関係者が火を付けて燃やして奉納。夏山の無事に感謝し、赤々とした炎が夜空を焦がしました。会場では手筒花火や打ち上げ花火も行われ、記念すべき初の夏山シーズンが盛大に締め締め括られました。

 

≪冬期閉鎖後の惨状≫

富士宮口6合目に設置された冬期閉鎖のバリケードを登山者の列が注意看板を横目に通過していく・・・。9月2日から冬期閉鎖が始まりましたが頂上を目指す登山者は後を絶たず、冬期閉鎖は名ばかりの状態となってしまっているという。安全確保が難しくなるとして、静岡県や静岡県警では夏山以外の登山自粛をあらためて呼び掛けています。

静岡県では9/2正午、富士宮口6合目から、御殿場口新5合目から、須走口5合目から、それぞれ頂上までの区間の冬期閉鎖を行い、工事業者がバリケードと通行禁止を告げる看板を設置しました。

閉鎖区間にある山小屋の一部は当面、相次ぐ登山者を受け入れるため営業を続けている状況。富士宮市によると、富士宮口の冬期閉鎖区間では新7合目、7合目、9合目、9合5勺の各山小屋が9/7まで営業している。こうした「山小屋の営業を考慮」し、登山道のバリケードの一部を開放する形にしたため登山者が続出している模様。登山者からは「冬期閉鎖は有名無実化している」との声も。

静岡県道路保全課によると、冬期閉鎖後は登山道整備が行き届かず、落石の恐れがある。標識も撤去されるため、悪天候時は道に迷う危険性も高まるという。

「富士登山ガイドライン」は、夏山期間(7月上旬から9月上旬)以外での、万全な準備をしない者の登山禁止、警察への登山計画書提出、携帯トイレの持参を強く求めています。

山小屋は登山者のために営業し、行政は山小屋のためにバリケードを半開きにし、観光客は山小屋が営業しているからバリケードをくぐって登る・・・という構図は、すべてが中途半端でユルユルだ。(バリケード突破は)そのうち日本人だけでなく外国人だってみんな「だって開いてたんだもん。(地元の)日本人も登っているし」と言ってきっと真似するようになるし、閉山後の登山道は無法地帯となるだろう。なんだかそれって本末転倒で情けないではないか。これら三者の誰もが三つ巴になって他者に責任をなすりつけ合っている状況にしか見えない。やはり閉鎖というタイミングの時点で、山小屋も一斉退去させないと、本当に「閉鎖」と呼ぶ意味がない。ルールがあるならそれに従い、ルールを決めたのならそれに従わせる必要がある。形骸化させてはいけない。

もし万が一、何か事故などが起きて捜索や救助などの対応をするにしてもそれだけ無駄な税金が使われるわけであり、捜索や救助に向かう警察や救助関係者の方々にも身の危険が及ぶ可能性が高まるシーズンなわけだから、やはりこういうのは条例でガチガチに取り締まるしかないですね。

→9月10日午後0時20分頃、冬期閉鎖されている富士山富士宮口9合目付近で、下山していた横浜市内の店員の女性(41)が転倒し、けがをして歩行困難になったため、静岡県警山岳遭難救助隊が出動し、病院に救急搬送されたという。富士宮署によると、女性は入山時に求められている登山計画書の提出を怠った上、軽装だった。

→11月1日、閉山後9月の登山者が3万4677人に上ることが環境省の調査で分かりました。環境省は8合目付近に赤外線カウンターを設置しており、例年は夏山シーズンの7、8月に入山者数の集計を行ってきましたが、今年は初めて9月にも調査を行ったそうで、夏山期間終了後の登山の実態が明らかになるのは初めてのことです。4つの登山道のうち、山梨側の吉田口が最も多い2万1346人で、一日平均は約700人。静岡県側の富士宮口が7545人、須走口が3284人、御殿場口が2502人。山梨県は「天候が急変しやすく、安全が確保されない」として登山道を通行止めにしていますが、世界文化遺産登録を受けた登山熱の高まりもあってか、多くの登山者が山頂を目指しているのが実情。山梨県の横内正明知事は11月6日の定例会見で、夏山シーズン終了時期を延長することに前向きな考えを示しました。静岡県や地元関係者と延長に向けた協議を進め、年内に方向性を示すという。来季へ向けて、夏山期間の終了時期や閉鎖後の安全対策について再考が迫られます。静岡県の横内正明知事は夏山シーズン延長については山梨県側と歩調を合わせることが大切とコメント(11/15定例記者会見)。

→11/23午後2時45分頃、御殿場口6合目(標高2830m)付近で男性登山者により男性の遺体が発見された。静岡県警山岳遭難救助隊などが24日朝にも遺体を収容し、身元の確認を急ぐという。御殿場署によると、遺体は登山ルートと下山ルートの間の、ルートから外れた場所にあった。滑落した可能性もあるという。金沢市の会社員の男性(24)が11/8日に同僚に「富士山に行く」と告げたまま、行方不明になり、静岡、山梨両県警の山岳遭難救助隊が23日から捜索していたところだったという。遺体で発見された金沢市の男性会社員は冬山装備をしていたが、冬の富士登山は初めてだった。入山場所やスケジュールが不明なため、当初は実際に入山したかどうかも分からず、捜索を困難にしたという。

→12/1、午前11時15分頃、御殿場ルートの山頂付近(9.5合目辺り、標高約3600m)で、京都府勤労者山岳連盟に所属する50~60代の男性3人、女性1人の計4人が滑落。現場付近で心肺停止状態の男性(61)1人が見つかり、別の男性(55)1人が行方不明になった。4人は冬山の登山技術を習得するため11/30から12/1の1泊2日の予定で入山していた。互いの体をロープで繋いでいたため一緒に滑落したとみられる。静岡県警御殿場署によると、残る男女2人のうち、男性(58)1人は意識があり、ヘリコプターで病院へ搬送された。肋骨を骨折していた。女性(34)1人は別のグループと共に自力で下山し、病院に運ばれた。県警は1日夜、不明男性の捜索を一旦打ち切った。2日朝から再開予定。

12/2午前、静岡県警山岳遭難救助隊は行方不明になっていた男性(55)とみられる1人を心肺停止状態で発見。御殿場署の発表によると、捜索は22人態勢で午前6時から再開され、午前8時45分頃、倒れていた男性が発見された。滑落後にグループが留まっていた場所から西へ約500m離れた富士宮口登山道9合目付近で、心肺停止状態で倒れていた。1日に心肺停止状態で見つかった別の男性(61)とともに県警ヘリで収容後、病院に搬送され死亡が確認された。

12/2、静岡市は消防ヘリで1日に男性(55)1人を救出中に用具が外れ、約3mの高さから男性が落下し、そのまま見失っていたことを明らかにした。静岡県警が2日、心肺停止状態で発見し、病院に収容した1人は、この男性とみられる。市の消防航空隊ヘリが滑落現場に到着したのは1日午後3時45分。男性は消防隊員の呼びかけに返事はしなかったものの、顔をゆがめたり、手を動かしたりするなど意識があった(救助を試みた時点で、男性は生存が確認されていたが、呼び掛けには応えられないほどの怪我をしていた)という。その後、隊員が男性に用具を装着し、男性を抱えてつり上げ作業を始めたところ、高度約30mで用具が外れたという。地上に一旦男性を降ろそうと、隊員が抱えたままヘリの高度を下げたが、約3mの高さで男性が落下し、見失った。気流や足場の状況が安定しなかったことなどから、落下地点に男性を残したまま同日の救助を断念したという。市消防局の名取和雄航空課長「救急活動で誤りは絶対に許されない。このようなことがあってはならず、申し訳ない」と謝罪。市によると、ヘリは1日午後4時頃に御殿場口ルート付近にいた遭難者4人に接近。負傷した男性(55)を「サバイバースリング」と呼ばれる器具を使い、胸と両脇を固定した上、男性隊員が抱えて吊り上げようと試みた。しかし、スリングが男性の体から外れ、断念して一度地上に降ろそうとするまでの間に、隊員が男性を抱えきれなくなり、地上3mほどの高さから男性を落下させた。スリングが外れた原因について市は「吊り上げの際にスリングが別の金具に引っかかった可能性がある」と説明し、原因究明を進めるという。また県警は過失の有無を含め、男性が行方不明になった経緯について今後、同航空隊からも事情を聴く方針。落下が起きたのが1日夕方で、市の発表が2日正午過ぎとなったことについて田辺信宏静岡市長「現場の確認や検証をして、万全を期して発表したと聞いている。現場での救出活動を使命感を持ってやったと信じている(12/3)」

→12/4、御殿場署が死因を発表。事故発生直後に心肺停止状態で発見された男性(61)の死因は全身を損傷する多発損傷だった。救助中にヘリから落ちた男性(55)の死因は、胸、頭の損傷と寒冷死で、ヘリによる落下との因果関係や死亡時刻は不明とのこと。

→12/4、静岡市消防局がヘリコプターで救出する際に男性(55)を誤って落下させた点に関して、市消防局の説明によると、男性の衣服がヘリ機体の突起に引っ掛かり救助器具が外れたとみられ、救助器具(サバイバースリングと呼ばれる吊り下げ金具)を装着する際、救助隊員が救助対象者の体を固定させるための股下に通して装着する落下防止のベルトを男性に装着させていなかった模様。市消防局によると、スリングは救助される側が両腕で金具につかまり、落下を防ぐ必要がある。意識がない人に使う場合、スリングの本体に収納されている股下ベルトを引き出して着用させ、下半身を固定することになっているそうだ。男性は当時、隊員の呼び掛けに応答せず、小さく手を動かす程度だった。そのため、隊員は股下ベルトを着用させようとしたが、男性の下半身に巻かれた保温シートが外れず、引き上げを急ぐため装着を断念したという。市消防局「現時点ではやむを得ない判断だと認識しているが、落下との関連を今後検証する」としている。12/2の会見でスリングについて市消防局は「両脇と胸のみ固定する器具」と説明し、股下ベルトの不着用には触れていなかった。市消防局によると、同隊は3100m級の南アルプス地域での活動が中心で、富士山での活動は訓練を含めて初めてだったという。御殿場市、小山町の消防本部が県に応援要請をしたが、県の防災ヘリが点検中だったため代わりに出動したという。

→12/5、市消防局は落下原因と再発防止策を探る事故調査委員会を設置。委員は岩崎幹生消防部長をはじめ市消防局の職員6人で11日に初会合を開き、2014年1月末を目途に報告書をまとめて公表する予定。「空中で男性の体から救助器具が外れた原因」と「落下した男性を再度救う方法はなかったか」の2点を中心に検討する。ヘリや救助器具を使って事故時の状況を再現するほか、作業に当たった隊員から当時の状況を聴く。救助器具メーカーの担当者、他の自治体の航空隊員にも意見を求める。

冬の富士山では強烈な突風が吹き、斜面も凍結する。空と地上からの大規模な救助活動は難航した。空からは静岡県警ヘリと静岡市消防局のヘリ2機が救助を試みたが山頂付近は強風に見舞われ、一度目はホバリングができず、2回目のフライトでようやく男性1人をヘリに収容。13人態勢の県警山岳遭難救助隊は滑落現場に近い富士宮口5合目から救助に向かった。凍結する斜面を登り、出発から約7時間後の午後7時半に滑落現場の9.5合目付近に到着。日没を迎えた山腹で、男性2人のうち1人が心肺停止状態で発見され、1人は行方不明になった。1日の富士山は快晴でしたが午前11時頃の山頂の気温はマイナス14度と厳しい冷え込み。上空から見た山頂付近は、積もった雪の間にところどころに黒い地肌をのぞかせ、凍った斜面もあるほど。遭難した4人以外にも複数の登山者の姿があった。関係者によると、冬の富士山は気象条件が厳しく危険なため、県警ヘリも人命救助などの緊急性が高い場合を除いては接近しない。この日もヘリが遭難者のうち1人を救出するまで通報から約5時間を要した。

京都府勤労者山岳連盟によると、4人は9.5合目から8合目付近まで山肌を転落した。遭難した4人は同連盟の中でも登山技術が高い救助隊に属している。隊員としての冬山登山技術の向上と継承のため、毎年実施している登山訓練のため富士山に登っていたという。滑落後に別の登山グループと一緒に下山し病院に搬送された女性(34)は骨盤を骨折する怪我を負った。同連盟に提出された登山計画書などによると、グループは当初は6人編成で11/30午前に富士山御殿場口から入山し、12/1に下山予定だった。6人のうち、まず体調不良の男性1人が登山を断念。さらに入山した5人のうち、途中で体調を崩した女性1人が登山を断念し滑落を免れた。同連盟には体調不良で登山を途中で断念し、滑落を免れた女性(54)から連絡があった。途中まで一緒に登り、体調不良のため前日4人と別れて先に下山した仲間の男性(60)は御殿場ルートの登山口の駐車場で仲間の下山を待っている時に、警察官から事故発生を知らされたという。

目撃男性の証言によると、仲間と御殿場口から入山し、9.5合目付近で京都のグループを追い抜く際に4人がロープ(ザイル)を準備する姿を目撃。30mほど差が開いた辺りで、互いにロープを巻き約2m間隔で歩く4人が登山道脇の凍結した岩場から滑り8合目付近まで一気に落下したという。「岩場を直登しようとしたのではないか。4人はもつれながら一瞬で落ちた。下にいたら巻き込まれた可能性もある」110番した男性らが落下場所に到着すると、1人は既に息が無かった。他の男女3人は衣服が破れ、顔などから出血し、血まみれだった。男性2人は怪我で身動きが取れなかったが、寒さや痛みを訴えるなど会話はできた。その後、目撃男性らは食料や簡易テントの手当て、防寒を施し、2次遭難回避を呼び掛ける県警の指示で歩けそうな女性を説得し下山。女性は冬の富士山は初めてだったらしい。

このような事故の発生自体は不運ですが、厳しい冬山に自分の意志で入っていったわけですし、その先のことについては100%自己責任&自業自得の世界なので、困難が起きた時だけ誰か他者(この場合は救助者)をあてにするというのはおかしい。本物の山男・山女にはそんな自己中心的な人は少ないと思いたいですが、そんなの都合が良すぎますよね。無謀に挑戦するのは結構ですが、もし自力で下山できない状況になった場合にはその時にはある意味で死んでもしょうがない、野垂れ死にして雪に埋もれて春になってやっと発見されても不思議じゃない、誰にも文句は言えない、という事前の覚悟が必要。そういう覚悟がないのならそんな人はべつに最初から入山しなければ事故なんか起きないわけですし、誰にも何にも迷惑がかからないわけです。そして、救助する側だって厳しい気象環境の下で命懸けで向かっている。だからこういうミスが起きたとしてもある意味で致し方ないと思いますし、救助する側を責めるというのは絶対に間違っているし、文句を言える資格は誰にもないと思います。

静岡、山梨両県などでつくる協議会によると、2012年の夏山シーズン以外の期間の遭難者は34人で、うち死者・行方不明者は12人に上る。登山道には「通行禁止」の看板があるが、協議会は登山計画の提出や万全な装備を前提に閉鎖期間中の入山を事実上認めているのが現状。入山料の徴収対象については有識者委員会で「登山者全てが負担すべき」と夏山以外に冬季も含めるよう求める意見も出ている。しかしそれはそもそもの夏山シーズン以外の「登山道閉鎖」の現状措置と相矛盾する。もし徴収対象期間に冬山が入っているのならば、裏を返せば結局「冬山登山が公認されている」ことになるからだ。まあ、これは夜間徴収と弾丸登山との関係でも言えることですね。果たしてこれらの矛盾する規制との兼ね合いは今後どうなるのだろうか・・・。

→12/12、富士宮市の須藤秀忠市長「消防は命懸けで救助に当たったのに気の毒だ。冬期閉鎖された富士山は登山者と救助隊の双方が命の危険にさらされる恐れがある。冬山登山を禁止するルールを作るべき。」冬の富士山を訓練の場にしている山岳関係者に一定の理解を示したが「地元としては冬山は登ってほしくない。事故が発生した場合、救助する側も死と隣り合わせの状況になってしまう」(定例会見)

川勝平太静岡県知事も同調「規制したい、ルールを作りたいと言うのはもっとも。富士山は特別な存在なので特別なルールがあってもいい。訓練で登山する人もいるので一概にノーとは言えないが、人命を考え、救助隊の二次災害も考えなくてはいけない。冬山登山はよほどの理由がない限り、やめてもらった方がいい。今まで登山だけを切り口にしてきたが、あらためて芸術、信仰の大切さなど、富士山がどういうものか考え直すべき時でもある。」(12/12、定例会見)
→その後「富士宮市長のように冬山登山はなるべくしない方がいいという呼び掛けは、命を大切にするという観点で言われているのでもっともだ」と登山自粛の呼び掛けは継続すべきとの認識を示すも、「一種の人間の生き方を学ぶのが登山。遭難者がいるので条例を、というのはそぐわないようにも思う」と述べ、条例制定による規制には否定的な見解を示した。(2014/1/6、定例会見)

→12/16、静岡県議会文教警察委員会。2013年1月から11月に発生した遭難事故は97件となり、前年同期の56件から大幅に増えていることが静岡県警のまとめで分かった。夏山シーズンが終わった9月以降も8件発生し、1人が死亡。12月には4人が死傷する事故があり、県警は「滑落や低体温症などで常に遭難する恐れがある」とし、安易な冬山登山は控えるよう呼び掛けている。遭難者数は前年同期比32人増の102人。内訳は死者3人、負傷者38人で、61人が無事に救助された。県警山岳遭難救助隊は86回出動し、延べ381人が救助活動にあたった。冬季の富士山は気温が氷点下の上、凍結で地面が堅く、体が浮くほどの突風が吹くため、危険性が高い。

→2014/1/5午後1時20分頃、静岡県警航空隊のヘリコプターが御殿場口登山道の標高約3500m付近で倒れている男性を発見。降下した航空隊員が男性の心肺が停止していることを確認。12/31に入山後行方不明になった埼玉県の男性(26)の可能性が高いとみて、6日朝から遺体の収容作業を行い、身元の確認を急ぐという。男性は12/30に埼玉県の自宅を出発し、翌朝に友人に連絡した後、携帯電話が繋がらなくなった。男性は31日に入山し、元旦の初日の出を見る予定を友人らに伝えていた。単独登山とみられる。登山計画書は見つかっていないという。帰宅予定を過ぎても連絡が取れないことを心配した友人の同僚男性が1/4夜に同署に通報し、静岡県警山岳遭難救助隊や同航空隊が5日朝から捜索を行っていた。御殿場署によると、遺体は黒い上着とズボンを着て、片方の靴が脱げていた。滑落した可能性があるという。
→6日朝から県警山岳遭難救助隊が搬送作業を再開。救助隊は6日未明から13人態勢で入山し、男性を約3100m地点まで下ろした段階で、乱気流や日没後の気温低下による二次遭難の危険性があると判断し、午後に作業の継続を断念。天気は快晴で平野部では風が弱かったが、山腹では朝から強風が吹き、県警ヘリは出動しなかった。
→7日、県警は男性を航空隊のヘリコプターで収容して御殿場署に搬送、死亡を確認。

2014/1/30、静岡県警がまとめた2013年中の県内山岳遭難事故発生状況によると、事故数139件(前年比42件増)、遭難者数156人(同30人増)で、いずれも1973年の統計開始以来、最多だった。そのうち富士山での事故が98件(同42件増)を占めた。全体の死者は10人で前年より5人減、負傷者は54人で20人増。このうち富士山での死者は5人(同2人減)、負傷者は40人(同18人増)。時期別では開山期(7〜8月)が79件、死者1人、閉山期は19件、死者4人。2013年7月には富士山での事故防止のため「富士登山ガイドライン」が策定され、この中で十分な装備や余裕のある計画などを呼び掛けられていますが、夏には弾丸登山が原因で体調を崩す人が続出し、高山病など急病による遭難が42件に上りました。冬季登山に関しても「知識や装備が不十分な人の登山禁止」「登山計画書の提出義務化」などをルール化しましたが、2013年11月と2014年1月、それぞれ単独で入山した男性が死亡した事故では、いずれも登山計画書が未提出で捜索活動が難航するに至り、2013年12月に4人が滑落(うち2人が死亡)した事故では、メンバーに冬山登山の初心者も含まれていました。富士登山ガイドラインを策定し注意喚起を強めたものの、ガイドラインに反する行動が後を絶たず、死亡事故につながるケースが少なくないのが現状なのです。今冬の死者はすべて県外の登山者であり、県警は「ガイドラインを確実に守り、慎重に行動すれば、多くの事故は防げるはず」としています。

2/16午後1時45分頃、登山中の女性(47)から「雪で身動きが取れなくなった。救助してほしい」と携帯電話で119番通報があった。他に男性(53)が同行していたが、助けを求めるために先に下山したといい、山梨県警と消防は遭難の可能性があるとみて2人を捜索したが発見できなかったという。翌17日朝から捜索が再開される予定。富士吉田署と富士五湖消防本部によると、2人は15日に入山し、同日夜は1合目付近の馬返しで、テントを張ったとみられる。
→17日朝、山梨県警は県警や消防などが捜索にあたっていた男女2人を発見し救助したと発表。富士吉田市内の病院に搬送されたが、いずれも軽症。県警によると、2人は13日に入山し5合目で1泊。大雪のため14日以降、1合目付近で下山できなくなったという。

 

≪県道の冬期閉鎖≫

5合目へ通じる県道3路線について、11月25日正午から冬季閉鎖(全面通行止め)されます(20131114静岡県発表)。積雪や路面の凍結により安全の確保が困難になるためで、解除は来年4月下旬の予定。具体的な閉鎖区間はふじあざみライン11.5km(小山町須走から須走口5合目区間)、富士公園太郎坊線1.7km(御殿場市中畑から御殿場口新5合目区間)、富士山スカイライン13km(富士市大渕から富士宮口5合目区間)。また、富士宮口については5合目から6合目の登山道も同時に通行止めとなります。静岡県道路保全課「今後の天候次第では閉鎖日が予定より早まる可能性もある」としている。

→11/18、富士宮口2合目と5合目を繋ぐ富士山スカイラインの冬期閉鎖が実施されました。積雪や路面凍結の影響で予定より7日前倒しでの通行止めとなりました。静岡県富士土木事務所や富士宮市によると、15日にまとまった降雪があり、富士宮口5合目周辺では10cm程度の積雪となったそうで、除雪作業を続けたものの安全が確保できないとして閉鎖が決定した。

→11/25正午、工事業者が県道入り口に車両進入を防ぐブロックやバリケードを設置し、入山への注意や登山計画書の提出を求める看板を設置。ふじあざみラインおよび富士公園太郎坊線が冬期閉鎖された。例年、登山道の冬期閉鎖期間中にも御殿場口や山梨県吉田口などからの入山者が後を絶たず、死亡につながる重大な遭難事故が発生するため、県警などが警戒を強めている。2012年の遭難事故の死者9人は、いずれも冬季閉鎖中に発生し、うち7人が単独登山だった。「登山ガイドライン」では、夏山以外の富士登山は危険性が高いため「万全な準備をしない登山者の登山禁止」を定められていますが、周知が不十分との声も。静岡県警幹部「冬の富士山は極めて厳しい山。十分な技術や装備が無ければ登らないで」と自粛を求めた上、捜索時の手掛かりになる登山計画書の提出を求めている。

→2014/04/17、静岡県の発表によると、4/25の午前11時に3県道の冬季閉鎖が解除されることになった。富士宮口2合目旧料金所(富士市)では開通式が行われ、県や富士宮市の関係者、ミス富士山の神戸麻衣さんによるドライバーへの記念品配布が行われる。富士宮口については夜間の路面凍結の恐れが残るため、当面の間は午後6時半~翌日の午前7時半を通行止めとするという。また、5合目より上の登山道については、7月の山開きまで閉鎖中。

6/20、午前9時、富士宮口6合目までの冬季閉鎖が解除されました。静岡県関係者により5合目に設置されたフェンスが撤去されました。これで富士宮口5~6合目で、登山道の通行が可能になります。6合目より上の登山道はまだ残雪の影響で引き続き通行止めです。静岡県富士土木事務所によると、高さ数mに及ぶ雪が残る危険箇所もあるそうです。また、宝永遊歩道の一部区間は倒木と残雪のため通行できない状況。その他、御殿場口と須走口の5合目より上の登山道は冬季閉鎖が継続されます。3ルートが山頂まで全面開通する見通しは7/10とされていますが、同事務所によると、例年と比べ気温が上昇せず、山頂付近を中心に雪解けが進んでいないため、残雪の状況次第では、もしかすると全面開通が遅れる可能性もあります。

 

 

Season 2014 版では、新しい情報について必要に応じて追加・更新していきます。合わせて参照ください。

 

 

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富士宮口登山道(富士宮口新五合目)へのアクセス:詳細記事はこちら


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吉田口登山道(富士スバルライン五合目)へのアクセス:詳細記事はこちら


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須走口登山道(須走口五合目)へのアクセス:詳細記事はこちら


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御殿場口登山道(御殿場口新五合目)へのアクセス:詳細記事はこちら


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霊峰富士山が世界遺産に登録されるまでの道のり

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コメント

    • k-co
    • 投稿日 (Posted on):

    友人が「白テバ予約しちゃった!」と発言。
    私の頭はハテナでいっぱいです。
    “新しいタイプの手羽先料理が流行中なの?” とか、想像してしまいました。
    調べたら、昨年から引き続き流行中の「Teva(テバ)」のサンダルの事でした。
    スポーティーなこのサンダルは、色・デザインの展開も豊富。人気ブランドとのコラボもあるとか。ずっと見ていたら、自分も欲しくなってきました。
    履きやすそうだし、私も流行りに便乗してみようかな〜。

    あなたなら「何テバ」にしますか?

    • k-co
    • 投稿日 (Posted on):

    富士山エコトレッキング(富士山 御中道)参加者募集!!

    「富士山にゴミを持ちこまない、捨てない、気づいたゴミは拾う」という趣旨のもと、富士山の自然・歴史に関する解説を聞きながら散策し清掃活動を行う「富士山エコトレッキング」を開催します。
    富士山御中道は、文字通り富士山の中道(なかみち)で全長約 3 km の比較的平坦な遊歩道で、天気の良い日には富士山頂、富士四湖、南アルプスなどが一望できます。また、この時期はカラマツやナナカマド、ダケカンバの見事な紅葉を見ることができます。秋の一日を富士山の環境保全とトレッキングで過ごしてみませんか?

    実施日: 平成27年(2015年)10月17日(土)
    コース: 富士山御中道等(奥庭 ~ 富士山五合目 ~ 御中道)
    集合時間: 8:20
    集合場所: 富士ビジターセンター(山梨県南都留郡富士河口湖町船津6663-1)
    募集人員: 25名(先着順とします。中学生以下は保護者の同伴が必要です。)
    ※より多くの方に富士山及び周辺地域の魅力を知って頂くため、初めて参加する方を優先して受付を行います。
    募集期間: 10月6日(火)まで(申込み締切り後、参加者の決定を行い御連絡いたします。)
    参加費: 100円(保険代、資料代)
    持ち物: 上着、雨具(合羽)、帽子、昼食、飲み物等
    装備: 山道を歩ける服装・靴
    行程:
    8:20 ビジターセンター集合、参加者受付、開始式
    8:30 ビジターセンター出発(バス)
    9:10 奥庭駐車場着
    9:30 奥庭着、解説
    10:30 奥庭駐車場発(バス)
    10:40 富士山五合目着
    10:50 五合目小御嶽神社(解説)、五合目周辺清掃活動(ロータリー、駐車場)
    12:00 五合目休憩舎他(昼食、休憩)
    13:00 五合目発 → 御中道(解説)(徒歩)
    15:00 奥庭駐車場発(バス)
    15:40 ビジターセンター着、解散

    雨天時対応: 雨天時中止(当日午前6時の時点でエコトレッキング実施の可否を決定します。)(小雨でも安全を考慮し、中止とします。)
    申込受付方法:
    申込書に必要事項を記入し、富士山ボランティアセンターまでFAXでお申し込みください。(メール、電話、郵送でも可)
    ※ 申込書は富士山ボランティアセンター公式ホームページよりダウンロードできます。http://www.yamanashi-kankou.jp/volunteer/
    申込み・問い合わせ先: 富士山ボランティアセンター TEL:0555-20-9229 FAX:0555-72-4114

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