須山口登山道(現在の御殿場口登山道)(すやまぐちとざんどう(ごてんばぐちとざんどう))

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須山口登山道(すやまぐちとざんどう)は現在、御殿場口登山道(ごてんばぐちとざんどう)と呼ばれています。

起点は須山浅間神社で、山頂南東部に至る登山道です。

須山口登山道(現御殿場口登山道)は世界遺産として登録される見通しとなった富士山の構成資産25ヵ所の内の1つにも数えられています。(→2013年6月22日午後、富士山がユネスコ世界文化遺産へ正式に登録されました。)

御殿場口新五合目までは自動車道路(県道23号線(富士山スカイライン))が走っています。

夏季マイカー規制期間と乗り換え駐車場についての情報はこちらの記事へ

 

その他の富士登山ルートに比べてのアドバンテージポイントや御来光が見える地点の比較はこちらの記事へ

 

 

≪御殿場口新5合目に足湯が新設≫

2013年7月20日、足洗い場と足湯が新五合目駐車場に完成し、御殿場口下山道の大砂走りを下山してきた登山者をもてなしています。

8月25日までの毎週末と8月12日(月)から16日(金)、登下山で疲れた足を富士山の湧水で癒やすことができます。

御殿場市の委託事業として例年、NPO「富士山御殿場ガイド 御厨の風」が実施する給水活動の一環で、飲み水の配布のほか、大砂走りで砂煙にまかれた足や手を洗うための蛇口が設けられています。

今年は市内企業の協力でソーラーシステムを導入したことで温水による足湯も実現しました。

根上清逸会長「富士山の湧水を生かし、おもてなしの心で接したい。」

 

≪旧御師渡邉家の遺品展≫

静岡県の裾野市立富士山資料館では、富士山世界文化遺産登録を記念して、江戸後期から明治期にかけて須山浅間神社の「御師(おし)」を務めた渡邉家の御師の生活や富士山信仰を紹介する特別展が始まりました。

御師は富士山登拝者の宿泊や案内などの世話をする神職で、祈祷なども行ったそうです。裾野市教育委員会によると、須山口登山道(現在の御殿場ルート)周辺には12軒の御師集落があり、渡邉家は御師の筆頭格を務めたとされます。

2011年に老朽化に伴って解体予定だった渡邉家の家屋から、古文書や民具合わせて計千点が見つかり、静岡県外に住む当主から貴重な史料の寄付を受けた裾野市教育委員会は、「富士山信仰や須山の御師を知る手掛かり」として、調査を進めています。

特別展では、御師株売り渡し証文、神職に就くことを認める裁許状などの古文書、狩衣(かりぎぬ)や袴(はかま)、木箱に入った高足膳(ぜん)や茶わん、皿類など計66点が紹介され、開催期間は2013年7月10日から10月14日までとなっています。

 

開館時間 9:00〜16:30

休館日 毎週月曜日(但し月曜日が祝祭日の場合は開館し、その翌日に休館)、祝日の翌日、年末年始

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裾野市立富士山資料館へのアクセス:静岡県裾野市須山2255-39(電話055-998-1325)

 


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≪最難関ルートを甘く見ないこと!≫

2013年8月8日、登山中の未成年者が絡んだ事故が相次ぎました。御殿場署などは、登山中は子どもの行動に十分注意するよう呼び掛けています。

午前10時半ごろに富士山頂で東京都稲城市の女子高校生(16)が自力歩行できない状態でいるのを山頂にいた静岡県警山岳遭難救助隊員が発見し救助した。午後3時45時ごろには、御殿場口7合4勺付近で、東京都東村山市の男児(11)が下山中に転倒し、頭を岩にぶつけてけがをした。静岡県警航空隊ヘリが男児を引き上げ、病院に搬送した。2人はいずれも意識があり、命に別条はないという。

同日午後2時45分ごろ、御殿場口を下山中の登山者から「男の子が一人でいる」と通報があった。静岡県警山岳遭難救助隊が6合目(2590m)で男児(8)を保護した。同署によると、男児は大阪府から父親、兄と登山に来たとみられる。男児は6合目で待つように指示され、父と兄が山頂に向かったという。同署は天候の急変や気温低下などで命に危険が及ぶ可能性があると判断し、保護措置をとった。父と兄は道に迷い、午後9時過ぎに御殿場口新5合目に下山した。

御殿場署は同日深夜、下山した父親(53)に男児を引き渡し、父親を厳重指導した。父親らは、避難設備も無い中腹に男児を残したまま登山していた。静岡県警などは「弱者に合わせるのが登山の基本。登山を断念する判断も必要」と注意喚起している。同署によると、男児は、父親と兄(11)の3人で同日午前5時に新5合目(1440m)から入山。6合目に着いたのは6時間以上経った昼頃だった。男児が「歩きたくない」と登山を嫌がり、兄が「登頂したい」と言ったため、困った父親は男児にその場を離れずに待つように指示。休館中の山小屋がある6合目に、菓子などを持たせた男児を残し、兄と登山を続けた。その後、1人でいた男児を目撃した下山者による110番で、危険性があると判断した県警により男児は保護された。天候の急変が多い富士山では、突風や大雨、夜間の気温低下など命の危険もある。御殿場口では、7合目(3040m)以上まで山小屋やトイレも無く、避難は困難。親子は登山経験も少なく、「マイカー規制が無い」との理由で最難関の御殿場口を選んだという。関係者は無謀な子連れ登山だと指摘し、「事前の情報収集や、体力、経験に合わせたルート選択を」と計画的な登山を求めています。

なぜマイカー規制がないのか、それは利用する登山者が(他のルートに比べて)少ないから。では、なぜ利用する登山者が少ないのか、それは頂上に辿り着くまでが最も長い過酷なルートだから。富士山を知らないハイキング気取りの子連れ素人が、ただマイカー規制がないからという理由だけで選ぶというのは愚の骨頂。こういうのはご遠慮願いたいです。多くの人に迷惑をかけ、無駄な労力を使わせるだけなので。他に良いことは一つもありません。はっきり言って御殿場ルートの険しさを舐めたらいけません。御殿場ルートには経験と体力と覚悟が必要なんです。

 

≪御殿場口の登山者数≫

御殿場市によると、2013年7月から8月までの2ヵ月間の登山者と下山者を合計した御殿場口の総利用者数は4万6558人で、初めて4万人を突破。昨年比約1.5倍の増加でした(9月2日発表)。この集計値は御殿場市が御殿場口新五合目の山小屋付近に設置した計測器による数値で、八合目付近に設置された環境省の計測器の集計値とは異なる指標となっています。登山者数は1万8557人(昨年比約1.9倍、8768人増)で、このうち62%は7月中の登山者であり、シーズン前半が特に増加。下山者数は2万8001人(昨年比約1.35倍、7323人増)だった。市担当者の分析によると「世界遺産効果や(御殿場口には)マイカー規制が無いことなどが影響したのではないか」とのこと。

 

≪登山者交流拠点 マウントフジ・トレイルステーション≫

2013年に御殿場市周辺の民間事業者や市民団体などでつくる富士山ツーリズム御殿場実行委員会により、富士山御殿場口新5合目駐車場に試験的に開設されていたトレイルステーション(略称「トレステ」)。2014年も7/10~9/10までの期間で開設される予定だそうです。登山口に最も近い第1駐車場に敷地面積約220平方mを活用したブースが設けられる。このトレステブースでは、昨年実施した登山装備品の展示や登山の情報提供、マナー啓発に加え、今年はガイドツアーやセミナーを充実させるほか、御殿場口下山者に「富士山登山証」や観光客向けの「記念証」を発行するという。参加団体が企画するツアーやセミナーは、月明かりで双子山に行く「富士山満月トレッキング」(2回)、子どもが富士山の不思議を学ぶ「世界遺産で自由研究」(1回)、水源の森を散策する「水をめぐる森の教室」(3回)、トレイルランニングセミナー(4回)など計14本。複数の大学研究室が動向調査や準高地での身体変化の研究、学生のインターンシップなど教育活動も実施する。トレステでは、登山装備品を展示し、装備の補充もできる。トレッキングポール(杖)の無料レンタルも始める。御殿場口の下山者に「富士山登頂証明書」、来訪者に「富士山御殿場口観光記念証」の即時発行サービスも行う。開設時間は午前5時~午後7時。コンテナ4棟が並ぶ施設の内装には地元産間伐材を使用し、「おしゃれ感」創出や景観へも配慮した造り。展望台も設けた。用品メーカーのブースでは登山グッズ約80点が展示され、富士山や御殿場口の歴史、文化を解説する案内板も充実している。

女子高生による登山をテーマとした漫画でTVアニメ化された「ヤマノススメ」とのタイアップ企画で、主要登場人物5人の写真撮影用のパネルが設置されていて、記念撮影をすることができます。会場の看板に設置された画像をスマホなどで読み取ると、カメラ機能用のフォトフレームが手に入る企画もあります。

 

2014/06/09、御殿場口の夏山シーズン到来を知らせる大わらじが開山よりひと足早く御殿場市役所にお目見えした。巨大な金剛杖も合わせて飾られました。御殿場ではかつて登山者の足を守るわらじが特産でした。大わらじは健脚や良縁祈願の象徴的な存在として毎年開山期間中に駅前などに飾られています。市役所本庁舎の正面玄関に展示した全長3m、幅1.2mの大わらじは、2年前に復活した御殿場わらじ祭りに合わせて、地元有志が毎年製作しているという。金剛杖は、通常の4~5倍ある直径22cm、長さ5mの特大サイズで、正面に「富士登山道御殿場口 わらじ祭」の文字が刻まれています。約30年前、地元青年団が御殿場口開通100周年の記念に山麓のモミの木を切り出して作製し、市内の仏閣に安置していたものをきれいに修繕したものだという。7/12の式典では女性が大わらじを、男性が金剛杖を担いで練り歩く予定です。

 

御殿場口名物として定着しつつある足湯サービスが2014年も7/19スタートしました。足湯サービスは無料で、一般車用の第2駐車場から登山口に向かう階段近くのトレステ隣接地にあります。御殿場口下山道にある大砂走りを下った登山者らが足や手を洗えるようにした洗い場と、足の疲れをほぐす足湯が設置されています。8月末までの土、日曜日と祝日、お盆の混雑期の計20日間、地元のガイドボランティア「御厨の風」がもてなしてくれます。

 

 

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御殿場口登山道(御殿場口新五合目)へのアクセス:

●電車・公共交通機関:

≪新幹線利用の場合≫
もし東京方面からJR東海道新幹線を利用の場合、新幹線を「三島」駅まで乗車し、その後JR東海道線で「沼津」駅、その後JR御殿場線「御殿場」駅下車

もし関西方面からJR東海道新幹線を利用の場合、新幹線を「小田原」駅まで乗車し、その後JR東海道線で「国府津」駅、その後JR御殿場線「御殿場」駅下車

 

≪在来線利用の場合≫
東京方面から→JR東海道本線「国府津」駅よりJR御殿場線「御殿場」駅

新宿方面から→小田急線「新松田」駅よりJR御殿場線「松田」駅まで徒歩約6分、JR御殿場線「御殿場」駅

駅からは下記≪路線バス利用の場合≫を参照

 

≪路線バス利用の場合≫夏季便
・御殿場駅から乗車:富士急バス(御殿場駅~御殿場口新五合目~水ヶ塚公園)で、「御殿場口新五合目」下車(乗車約40分)

 

≪高速バス利用の場合≫
・新宿駅西口より(中央自動車道経由)

・東京駅より(東名高速道路経由)

・横浜駅より(東名高速道路経由)

・京都、大阪方面より(夜行バス)

 

 

●自動車:
※夏季マイカー規制なし

≪甲信越・甲府方面からの場合≫
中央自動車道 河口湖ICより東富士五湖道路 富士吉田IC→須走IC、国道138号線、国道469号線、県道23号線(富士山スカイライン)経由

 

≪東京・神奈川・三島方面からの場合≫
東名高速道路 御殿場ICより国道138号線、国道246号線、県道23号線(富士山スカイライン)、県道152号線経由

 

≪小田原・箱根方面からの場合≫
国道138号線を北上し御殿場、国道138号線、国道246号線、県道23号線(富士山スカイライン)、県道152号線経由

 

≪京阪神・富士宮方面からの場合≫
東名高速道路 御殿場ICより国道138号線、国道246号線、県道23号線(富士山スカイライン)、県道152号線経由

 


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霊峰富士山が世界遺産に登録されるまでの道のり

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