2014/03/17、富士山中腹の西側斜面で大規模な雪崩が発生し、富士山有料道路（富士スバルライン）4合目付近の道路面と大沢駐車場の一部を大量の雪が覆っている。17日には、周辺を除雪し、押し寄せた雪によって4合目の大沢駐車場にある休憩施設や展望台が破壊されていることが確認された。富士スバルライン管理事務所によると、14日午前、パトロール中の職員が雪崩が起きているのに気付いたという。

3/18、山梨県道路公社は流出した雪の量が約5千立方mに上ると明らかにした。スバルラインを覆った雪は最高10m程度に積もり、道路が分断されている。4合目の大沢駐車場にある休憩施設や展望台が壊れた。富士スバルライン沿線の建物が雪崩被害を受けるのは1998年以来のことで、2月の記録的な大雪が影響しているとみられる。山梨県は除雪を進め、5月の大型連休前の全線開通を目指す方針ではあるものの、降雪や再雪崩の恐れが生じ、復旧作業が滞る可能性もあり、行楽シーズンに間に合うかは現時点では見通せない。

3/27、壊れた4合目の休憩施設などの復旧にかかる修繕費用の見積が、概算で5400万円に上るという。しかしまだ4合目以上の被害状況が判明していないため、費用がさらに膨らむ可能性もあるという。

4/1、奇しくも大雪崩による被害で全線通行の目途が立たない状況となっている富士スバルラインが、開通50周年となる節目の記念日を迎えた。富士北麓と5合目を結ぶ富士山有料道路（富士スバルライン）の開通以来、富士登山（吉田ルート）の起点は麓から5合目に主流が移った。今では5合目は年間20万台以上が訪れる一大観光地となった。県道路公社が公開した4合目の現場では木々が散乱し、斜面に今もなお多くの雪が残されている。壁やシャッターが壊され、廃虚のような姿をさらす休憩施設の男子トイレは壁が薙ぎ倒され、使用不能の状態となっている。展望台は支柱が折れて倒壊寸前になっている。現場に残された生々しい爪痕は、押し寄せた雪の威力の大きさを物語る。

4/9、山梨県道路公社による上空からの視察が行われ、雪崩で分断された富士スバルラインの被害箇所について、路面の雪はかなり溶けたものの、その上の山の斜面にはまだ多くの残雪が残っていることが確認された。また、7合目付近で新たに雪崩とみられる跡が1ヵ所発見されたという。上空からの視察に同行した、防災科学技術研究所・雪氷防災研究センター（新潟県）の上石勲センター長いわく「気象条件によって雪崩が起きる可能性はあり、引き続き注意は必要になる」という。10日には地上からも調査が行われる予定で、同公社は上石センター長ら専門家の意見を聞きながら、全線の開通時期を判断するという。5月の連休前の全線開通を目指すとしているが、現時点での目途は立っていない。

5合目終点までの全線開通の時期は、雪解けの状況によって異なるが、例年4月中旬で、2013年は4月18日だった。20140420現在は、1合目のすぐ下にある駐車場までしか通行できない状況。いつもならほとんどの車が素通りするため1合目の駐車場は60台分ほどの駐車スペースしかない。山梨県道路公社によると、5合目までの除雪は4/17日までにほぼ終了したものの、5合目駐車場には除雪でたまった雪が山積みの状態。大沢駐車場付近では安全対策として、崩れた路肩に土嚢を積み、長さ75mにわたって落石防止ネットを張るなど応急処置の工事が進められている。

4/22、山梨県の横内正明知事の発表で、25日午後1時に通行止めの解除を行い、5合目までの全線が通行可能となる見通しとなった。残雪による雪崩の危険性はまだ残るため、例年、午前3時～午後7時となっている通行時間を午前6時～午後7時に短縮し、雨が予想される場合などには通行止めにするなどの措置を取るという。

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