クリル湖

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Bears

2度目の撮影に成功! 厳しい冬を生き抜くアムールヒョウ
アムールトラ(Amur tiger)は聞き覚えがあるけれど、アムールヒョウ(Amur leopard)はちょっと馴染みがないという方は多いかと思います。それもそのはず、アムールヒョウの推定個体数は、全世界でわずか50頭ともいわれる希少種なのです。
今日は、日本から飛行機で2時間の距離にある、極東ロシアの森からの便りをお届けします。
針葉樹と広葉樹が混在する豊かなこの森は、熱帯雨林とはまた異なった、高い多様性を誇る森です。
その生態系の頂点に立つのが、アムールヒョウです。
しかし、森林伐採による生息地の減少や密猟によって今ではわずか50頭が残るのみ。深刻な絶滅の危機にさらされています。

WWFは、20年あまりにわたって、アムールヒョウやその森の保全に取り組んできましたが、そんな長年にわたる保護活動の中でも記念すべき(!?)出来事が、2013年の11月に起こりました。
母親と3頭の仔の親子の映像撮影に成功したのです。
たとえ1頭であっても、カメラでその姿を捉えるのが難しいアムールヒョウの、しかも子育ての様子を撮影した例は、過去にはありません。それは、長年ヒョウの調査を続けてきた研究者でさえ見たことのない、きわめて貴重な映像であり、世界でも最も希少なネコ科動物の生態の一端を解き明かすものでした。
しかし、冬を目前にしたある日、この一家は、母親が発した警戒音とともに、カメラの前から突然、姿を消してしまいました。
特に、その時、前足に怪我を負っていた一番体の小さい末っ子はどうなったのか..。撮影に携わるWWFロシアと「ヒョウの森国立公園」当局の関係者は気をもみながら、親子の姿を追い続けました。
そして、数か月にわたる撮影の中で、カメラは再び、この親子の姿を捉えます..
果たして、4頭の母子はどうなったのか?

Amur_leopard_1

現在、この動画は、WWFジャパンにより日本語の字幕が付けられ、8回シリーズで紹介されています。未だ謎の多いアムールヒョウの研究、そして保護活動にも大きく貢献することが期待される貴重な映像です。

動画シリーズ「アムールヒョウの子育て映像」
http://www.wwf.or.jp/campaign/2015_hyo/

前編:撮影に成功! アムールヒョウの子育て映像(23分)

後編:第1部 冬の訪れ(4分32秒)

後編:第2部 翼を持つ掃除屋たち(3分58秒)

後編:第3部 雪上の足跡(4分07秒)

後編:第4部 四つ足の泥棒(4分06秒)

後編:第5部 かくれんぼ(4分09秒)

後編:第6部 狩りの成功(3分57秒)

後編:第7部 新たな試練(4分09秒)

後編:第8部(最終話) 別れのとき(4分05秒)

 

10年に1度! シベリアトラの大規模な生息数調査がスタート!
アジア北東部に生息する、トラの亜種シベリアトラ(アムールトラ)。この世界最大のネコ科動物であるシベリアトラの生息数調査が、2015年2月、ロシアで開始されました。この調査は1995年以来10年ごとに実施されているもので、WWFロシアも技術的な支援を提供しています。3度目にあたる今回は、2,000人にのぼる調査員が、約15万平方キロメートル、北海道の面積の約2倍もの調査範囲をカバーします。調査員は、雪上に残るトラの足跡から生息数を推定。雌雄、推定年齢、親と一緒にいる仔トラの頭数など、詳細な情報が得られると期待されています。今回はさらに、野生では50頭が残るのみといわれるアムールヒョウの生息数も同時に調査されます。1996年には415~476頭、2005年には423~502頭とされたシベリアトラの頭数がどう変わったか、そして絶滅の可能性がより大きいアムールヒョウの現状はどうなのか? 調査の結果は、シベリアトラとアムールヒョウの生息数の変動はもちろん、10年間にロシア極東の森で実施されてきた、密猟対策や保全活動の成果と課題を確認するための、貴重な基礎資料となります。2015年5月の中間結果を経て、10月に最終結果が報告される予定です。
調査にはWWFロシアからももちろん、長く現場に携わる職員が参加しています。人の開発によるすみかの減少や密猟により、命を脅かされ続けるシベリアトラとアムールヒョウですが、シベリアトラは10年間、何とか頭数をもちこたえてきました。アムールヒョウはわずかながら、増加の兆しを見せています。ロシアの森の保全には、日本の皆さまからも、これまでたくさんのご支援をいただいています。調査結果が出ましたら、またご報告します。引き続き、皆さまのご関心をいただけますよう、お願いいたします。

極東ロシアでアムールヒョウの個体数が2倍になりました!
世界で最も北に生息するヒョウの亜種 アムールヒョウ。その数はこれまで30~40頭ほどと推定され、地球上で最も絶滅の可能性が高いネコ科の動物の1つとされてきました。2007年に、彼らの主要な生息域となっている極東ロシアの沿海地方南部で実施された生態調査では、その推定個体数は30頭とされ、まさに絶滅の淵にあることが明らかになりました。しかしその後、WWFなどの働きかけによって主要な生息地にある保護区が統合され、2012年には「ヒョウの森国立公園(National park “Land of the Leopard”)」が誕生。保護活動もさらに強化された結果、 2014年2月~4月に実施された調査では 57頭のアムールヒョウを確認することができました! ヒョウの森国立公園の存在が効果的に機能したことで、アムールヒョウが絶滅の淵から 徐々に回復していることが明らかになりました。極東ロシアは、日本のサポーターの皆さまにも大いにご支援いただいているフィールドであり、皆さまとこの喜びを共有できることを嬉しく思います!

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コメント

    • k-co
    • 投稿日 (Posted on):

    シベリアトラが増えました!
    ロシアから嬉しいニュースが届いています!
    ロシアの天然資源省から極東ロシアを中心に生息する シベリアトラ(アムールトラ)の総個体数が増加の傾向にあるとする調査結果が、2015年5月末に発表されました。2005年の推定結果428~502頭から推定480~540頭へ増加。過去10年間におよぶさまざまな保護活動の結果、トラの個体数が着実に増えていることが明らかになりました。

    • k-co
    • 投稿日 (Posted on):

    先日、ロシアから嬉しいニュースが届きました!
    野生復帰したシベリアトラが2頭の仔トラの母親になった!というのです。

    そのトラは2012年、仔トラの頃に親とはぐれて保護されたメスのシベリアトラです。
    そこから野生復帰のためのリハビリを受けて、約1年後に自然保護区の森に戻されました。

    野生復帰したこの仔トラは、「ゾルシュカ(ロシア語でシンデレラの意)」と名付けられ、自然保護区のスタッフはその後も自動撮影カメラなどによる追跡調査を実施していました。

    そして2015年12月、「ゾルシュカ」が2頭の仔トラを連れている姿が自動撮影カメラに捉えられたのです!

    40年ぶりともいわれる、今回の繁殖の確認は、トラの個体数の回復が始まったことを裏付ける出来事の一つといえるでしょう。

    今後、この自然保護区がトラの親子の保護を確実に実施するため、また、トラが生きる「自然」を守るために、WWFは必要な備品を提供するとともに、地域の人々の協力を得ながら支援を続けていきます。

    (http://www.wwf.or.jp/activities/2016/01/1302826.html)

    今WWFジャパンでは、トラの保護活動を一時的なもので終わらせないために、活動を継続するためのご支援をお願いしています。ぜひ、あなたの力を貸してください。ただいま2,000円以上ご支援いただいた方に、特製カレンダーをプレゼント中!★http://www.wwf.or.jp/campaign/2015_wt/

    • k-co
    • 投稿日 (Posted on):

    NHK「ダーウィンが来た!」で ユキヒョウ・プロジェクトが紹介されます
    2016年1月31日(日)19:00~ に NHK総合で放送される、ダーウィンが来た!生きもの新伝説「大追跡!幻のユキヒョウ」で、WWFモンゴルのユキヒョウ保護活動が紹介される予定です。是非ご覧ください!

      • k-co
      • 投稿日 (Posted on):

      アジアの山岳地帯に生きる、希少なネコ科の野生動物ユキヒョウの生態と共に、その保護に取り組むWWFモンゴルの活動も紹介される予定です。
      モンゴルでのユキヒョウ保護については、2010年に日本の皆さまからご支援をいただき、WWFジャパンからも密猟対策のパトロールに欠かせない四輪駆動車を、現地に送ったことがあります。(http://www.wwf.or.jp/activities/2011/01/963726.html)
      今回、番組では、そのモンゴルのフィールドと、現場で頑張るWWFモンゴルのスタッフが紹介されます。
      お時間がありましたら、ぜひご覧ください。
      今後ともWWFの活動にご関心を賜りますようお願いいたします。

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