旬華祝灯 - いつか行って見たい場所

2013年1月13日放送「THE 世界遺産」は、「アメリカ・カリブの旅I　アメリカ横断鉄道5500km」でした。

 

アメリカ横断鉄道のルートの開発には、西部開拓の歴史が深く関わっています。

19世紀にカリフォルニアで起こったゴールドラッシュにより、物や人を運ぶための鉄道が敷設されることになりました。

東西からレールを延ばして進められた過酷なアメリカ横断鉄道の建設工事では、ロッキー山脈を越えるためにトンネルが掘られ、峡谷に橋が架けられました。

結ばれたのは1869年、ゴールデン・スパイク（金の釘）に繋がった電信で完成が知らされると、国中が祝賀ムードに包まれました。

大陸横断鉄道は、まさに夢の架け橋でした。

 

 

カリフォルニア州都サクラメントは、一攫千金を夢見たゴールドラッシュで押し寄せた人々によって興った街です。

セントラルパシフィック鉄道は、1863年1月、ここで鉄道建設のセレモニーを開いて、東に向けて着工スタートしました。

ソノマ（ボールドウィン製、蒸気機関車、1878年）は、カリフォルニア州鉄道博物館に展示されています。

 

 

旅の始まりは西海岸のサンフランシスコです。

アメリカ横断鉄道は、現在は国営化されてアムトラックと呼ばれています。

カリフォルニア・ゼファー号は、サンフランシスコからシカゴまでの4000kmを2泊3日で結ぶ人気の寝台列車です。

Zephyr：ゼファーとは、そよ風、微風を意味します。

（番組ではサンフランシスコ、デンバー、シカゴ、ニューヨークと移動）

 

 

サンフランシスコから東へ200kmのヨセミテ国立公園は、4000m級の峰が連なる山岳地帯です。

氷河に削られてできたヨセミテ渓谷には、いくつもの滝があります。

ハーフドームは岩山の片側だけが氷河に削り取られてできたのだそうです。

エル・キャピタンは高さ約1000ｍの垂直に切り立つ断崖絶壁で、フリークライミング発祥の地といわれています。

 

 

コロラド川が谷を抉ってできたのがグランド・キャニオンです。国立公園となっています。

グランド・キャニオンは長い間、前人未踏の辺境地帯で、アメリカ地図の空白地帯でした。

コロラド川の激流をラフティングボートで下るツアーでは、グランドキャニオンの雄大さを体感できます。

リトルコロラド川の乳白色は、石灰岩が溶け込んでいるからだそうです。

 

 

デンバーのユニオンステーションに到着後、寄り道。

100年以上の歴史を残すユニオン駅の駅舎は見事です。

当時の雰囲気を今に残す、SLの山岳鉄道に乗り換えます。

「デュランゴ＆シルバートン鉄道」は100年以上の歴史をもつ山岳鉄道で、かつてゴールドラッシュと西部開拓の時代にはロッキー山脈から金銀など採掘した鉱石を運び出していました。

4時間ほどで鉱山の町として栄えたシルバートン駅に到着します。

 

 

西部劇の舞台モニュメント・バレーは、先住民族のナバホやアパッチなどにとって、一族の魂が宿る聖なる場所でした。

彼らの祖先が暮らした住居跡が世界遺産になっています。

メサ・ヴェルデ国立公園には、プエブロインディアンのアナサジ族の残した断崖をくりぬいた窪みに集落遺跡群が残っています。

約900年前に栄えた農耕の民は、その後、忽然と姿を消しました。

プエブロ・デ・タオスは、ネイティブアメリカン、プエブロ部族の古代の集落で、いわばアメリカ最古の村といえます。

今もなお伝統を守り、先住民族が暮らす泥の家は、現在でいうところの集合住宅のような作りです。

 

 

19世紀の西部開拓時代の発見がロッキー山脈のイエローストーン国立公園で、世界最初の国立公園です。

硫黄を含んだ火山ガスに晒された岩石が色鮮やかに変色しています。

中心から外側の岸部に向かってディープブルー、ブルー、グリーン、エメラルドグリーン、イエロー、オレンジ、レッドに色付いた虹色の温泉。

熱水を好むバクテリアが赤色の素です。

高さ50mも噴き上げる間欠泉もあります。

棚田のような階段状になった岩場は、温泉と石灰岩が作ってきた自然の造形で、中国の「黄龍」やトルコの「パムッカレ」などにも見られます。

 

 

シカゴは五大湖のほとりにある巨大都市です。

ミレニアムパーク

愛称：ビーン（豆）は、鏡面の巨大な豆のオブジェです。

顔が変わる噴水などもあります。

 

シカゴ名物と言えばピザ。

ピッツェリア・ウノは、シカゴピザのお店で予約無しには入れないほどの人気なのだそうです。

シカゴのピザは、縁が高いパン生地にチーズやトマトソースをぎっしりと詰めた「ディープディッシュピザ」と呼ばれるタイプのもので、本場イタリアのクリスピータイプのピザに比べて生地はどっしりと分厚いのが特徴です。

一番人気のメニューはヌメロ・ウノです。

 

 

ペンシルベニア州フィラデルフィアはかつての首都です（1790年～1800年）。

1776年7月4日、それまでイギリス植民地下にあった13州の代表者が、この建物の広間に集り、トマス・ジェファーソン起草による独立宣言が採択されました。

独立宣言の冒頭では、「すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不 可侵の権利を与えられている」と述べられています。

独立記念館は、1787年、アメリカ合衆国憲法が制定された場所でもあり、アメリカの歴史の原点です。

自由の鐘は、建国の喜びを象徴しています。

当時の星条旗の星の数はわずか13でした。

 

 

終着駅となるニューヨークでは自由の女神が迎えてくれます。

自由の女神像の正式名称は、Liberty Enlightening the World（世界を照らす自由）で、独立100周年を記念してフランスから贈呈されました。

右手に掲げられたトーチは、世界を照らす自由の光でもあります。

移民者にとっては、新天地の象徴でした。

エリス島には移民局の入国審査場跡があります。

1892年から1954年まで移民局が置かれ、現在は博物館として一般に公開されています。

アメリカに入国する移民のほとんどが、エリス島を通って新大陸の土を踏みました。

特に、19世紀終盤から20世紀初期にかけて、膨大な数のユダヤ系、イタリア系の人々がエリス島の入国審査場を通って、ニューヨークに上陸しました。

エリス島の入国審査場を通った移民は全米に広がり、その数は1200万人ともいわれ、いまや子孫は1億人にものぼります。

映画「ゴッド・ファーザー Part II」にも、主人公マイケルの父ヴィト・コルレオーネが少年時代に、ニューヨークのエリス島で入国審査を受ける場面があります。

港にあった駅の跡、ここから人々は新天地へ向かいました。新しい故郷を作るために。

 

 

ワールド・トレード・センター（世界貿易センター）跡地は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件によって崩壊して以降は、「グラウンド・ゼロ」という呼ばれ方をされてきました。

まもなく新しい「貿易センタービル」が2013年には完成予定で、工事中の青いビルは、地上104階建て、高さは1776フィート（541m）、アメリカ独立の年号（1776年）に因んでいるのだそうです。

正式名はOne World Trade Centerになる予定だそうです。

 

≪4WTCが完成≫

グラウンド・ゼロで事件後初めてのビル「4WTC」が完成しました。1993年プリツカー賞（The Pritzker Architecture Prize）を受賞した世界的な日本人建築家の槇文彦さん（85）が設計を担当。2013年11月13日の式典では、槇さん「歴史的な日であり、建築家として幸せ」とコメント。72階建て、高さ298mの4WTCは、跡地に建てられる複数のビルのうちの一つで、追悼施設のメモリアルパークに面していて、1階には彫刻家の西野康造さんが制作した巨大な円弧状の作品「スカイメモリー」が設置されています。オフィスのほか、市庁舎や地元港湾局が入居する予定で、式典にはマイケル・ブルームバーグNY市長も参加。ガラス張りの鋭角的な外観デザインで「遠くから見ると彫刻のようで近くでは街に溶け込む空間」を目指したという槇さんは幕張メッセなどの作品で知られ、最近では2020年東京オリンピック主会場となる新国立競技場の計画見直しを訴えています。

 

 

アクセス：アメリカ合衆国

ヨセミテ国立公園（カリフォルニア州中央部）Yosemite National Park
グランド・キャニオン国立公園（アリゾナ州北部）Grand Canyon National Park
メサ・ヴェルデ国立公園（コロラド州南西部）Mesa Verde National Park
プエブロ・デ・タオス（タオス・プエブロ）（ニューメキシコ州北部）Taos Pueblo
イエローストーン国立公園（アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州）Yellowstone National Park
独立記念館（ペンシルベニア州フィラデルフィア）Independence Hall
自由の女神像（ニューヨーク州リバティ島）Statue of Liberty

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