ニューギニア島のロレンツ国立公園

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New_Guinea_Island

2013年4月7日放送「THE 世界遺産」は、「カンガルーが木に登る魔境 ~ ロレンツ国立公園(インドネシア)」でした。

 

 

赤道直下のニューギニア島では、何が起こるか分からない。

数時間前に土砂崩れが起こったようで、クルマでは先に進めなくなり、地元の先住民ですら歩くのが容易ではない泥沼を撮影機材を担いで進みます。

ここには、太古の地球の姿が残っています。
ヒクイドリ
ゴマシオキノボリカンガルー
ブチクスクス

海辺には熱帯雨林とマングローブ林が広がり、5000m級の高山地帯には氷河を頂く山々がそびえます。

20世紀に入るまで世界地図の空白地帯であったこの緑の魔境では、今なお石器時代そのままの暮らしを送る部族がいます。

日本の2倍の面積を持つニューギニア島は西半分がインドネシア領で、ワメナはロレンツ国立公園への拠点となる街です。

 


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町から一歩出ると先住民の集落があります。

ジュイカ村は昔ながらの生活を送るダニ族の集落です。

顔に炭を塗り、頭に美しい羽根飾りを着けます。

頭の羽根飾りを着けるのは戦う時だけで、普段は大事にしまっているのだそうです。

集団でダンスを踊り、雄叫びを発して戦闘意欲を高めます。

 

低地のジャングルへ分け入り、人跡未踏の地でマラリアの恐怖と闘いながら、進みます。

木の枝に擬態しているナナフシ

レースで編んだような扇を頭に載せているカンムリバト

コフウチョウなど極楽鳥(ゴクラクチョウ)の数は40種。ほとんどがここだけに生息しています。

ジュウニセンフウチョウは尾尻に細い針金のような羽が生えていて、求愛のダンスではその針金のような羽を使ってメスの体をなでます。

メスは地味な羽の色をしています。

食べ物が豊富で天敵が少ないことが極楽鳥にとって住みやすい環境なのです。

指笛でメスの鳴き声を真似すると、姿を現したのはコフウチョウ。

美しい羽を持つ極楽鳥、彼らは実はカラスの仲間なのだそうです。

 

 

ワメナの市場で売られている伝統の健康食材は赤く細長い実をしたブアメラ(500円ほど)で、滋養強壮に効くそうです。

中心の白いところを取り除きます
赤い果肉だけを鍋に入れ加熱して蒸します
熱々のうちにほぐし、果肉を両手で絞り、果汁を取ります
搾り取った果汁を再び火にかけ20分ほど
こうしてブアメラ油が出来上がります。

料理にも使用できそのまま飲んでも血行が良くなるそうです。

 

海辺で暮らすアスマット族が歓迎のおもてなし。

彼らはかつては首狩り族として知られました。

身にまとう毛皮はカンガルーのものです。

地球に残された最後の秘境です。

 

 

ニューギニア島には、実に40種類もの有袋類が生息しています。

有袋類が多い理由は、太古の昔、地殻変動で分かれる前は、オーストラリア大陸と地続きだったからなのだそうです。

ゴマシオキノボリカンガルーは木に登るカンガルーの仲間で、前足が太く、爪が鋭く進化しました。

密林の中で生きるために進化したゴマシオキノボリカンガルーの姿、その姿はまるでカンガルーとコアラが混ざったような姿をしています。

熱帯の雲霧林では水分が豊かです。いつも雲や霧が立ち込めています。

キヌゲクスクスはお腹の袋の中に生まれた赤ちゃんを入れ、1年近くの間、母乳で育てるそうです。

鋭い牙を持つブチクスクスも樹の上で暮らします。

 

水辺を泳ぐ柔らかい甲羅のスッポンモドキは別名ブタバナガメで、体長70cmほどに成長します。かつては食用とされましたが愛らしい豚のような鼻をした顔つきが人気でペットとして飼われることもあるそうです。

 

内陸では一気に標高が高くなります。

インドネシア最高峰のジャヤ峰(5030m)をはじめ、赤道直下に位置しながら氷河を頂く標高5000m近くの山々が連なります。

天空の湖と呼ばれる、トリコーラ山のハベマ湖(標高3225m)を目指します。

3000mを超えるハベマ湖キャンプ場では、朽ち果てまるで廃墟のように見える小屋が建ちます。

屋根の上からビニールシートを張って雨漏りや隙間風を防ぎます。

熱帯の島でも高地のため気温が低く、朝晩の冷え込みは厳しい。火を焚かないと凍えてしまうそうです。

降り続く雨。

束の間の晴れ間に湖畔へ。

木生(もくせい)シダ類が生い茂ります。

アリノスダマの中は、その名の通りアリの巣になっています。

アリノスダマはアリに住処を提供する代わりに、アリの排泄物を養分として育つのだそうです。

体長30センチ程の大きさのモリカンガルーが姿を現しました。

 

個体数が少なく、幻の極楽鳥と呼ばれるハナガオフウチョウの姿。

黒い羽根に覆われ顔の両側に花ビラのようなオレンジ色の飾りが目立ちます。

羽を広げて飛び立つと、黄色い羽根が広がりました。

 

人を寄せ付けないジャングル、太古から続く大自然は、未だ正確な地図すら持たない緑の魔境です。

 

 

アクセス:インドネシア共和国

ローレンツ国立公園
Lorentz National Park

 

 

ダニ族、アスマット族の伝統的な生活文化についてはこちらの記事もどうぞ。

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