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クリシュナのバターボール(マハーバリプラム)
2013年4月13日放送「世界ふしぎ発見!」(第1269回)は、「セブンパゴダの伝説! 南インドに眠る海底遺跡の謎を追え」(ミステリーハンター:白石みき さん)でした。
2004年12月26日のスマトラ島沖大地震による津波は、震源から2000kmも離れたインド南部にまで到達しました。
南インドの小さな漁村では、津波が退いた直後、漁師たちが浜辺が沖合遠くまで広がった先に黒い岩の塊を目撃しました。
それは、海に沈んだという伝説の7つの寺院”セブンパゴダ”なのかもしれません。
伝説として語り継がれてきたセブンパゴダは、7つの巨大な寺院・パゴダが立ち並ぶ一帯に、パゴダを中心に人々が暮らす壮大な都市があったのだそうです。
美しい都であったセブンパゴダは、神の嫉妬を招き、神はそのうちの一つのパゴダだけを残し、他のすべてを海へ沈めてしまったといわれます。
またヨーロッパで描かれた古い地図には、付近にセブンパゴダの名前が残っていました。
チェンナイは、かつてマドラスと呼ばれた街で、インド経済を支える中心地です。
インドを代表する映画の都でもあり、「ムトゥ 踊るマハラジャ」もチェンナイで作られたそうです。
インド映画に欠かせないものがダンスで、俳優を目指す子どもたちは皆ダンスの技術を学ぶそうです。
映画スターを目指す子どもたちが居るという施設にお邪魔すると、民族舞踊をアレンジしたというアップテンポでノリの良いダンスを披露してくれました。
チェンナイからマハーバリプラムへ向かうと、見えてきたのは今にも転がり落ちそうな急斜面の中腹に、巨大な岩がぽつんと取り残されたように絶妙なバランスで留まっています。
奇跡の岩「クリシュナのバターボール(Krishna’s butter ball)」と呼ばれるそうで、伝説ではクリシュナ神の食べていたバターが飛んできてこの岩になったといいます。
また、バターを神様にぶつける風習があり、これは怒った神様を貴重品のバターで鎮めるのだそうです。
ガンガーの降下と呼ばれる巨大な岩のレリーフには、苦行に苦しむ聖者やネコの姿が彫られています。苦行に励むネコの足元には、そのネコにありがたそうに手を合わせて祈るネズミの姿が彫られていました。
かつて3〜9世紀に周辺を支配していたのがパッラヴァ朝(全盛期7〜8世紀)です。
パッラヴァ朝の貿易都市として繁栄したマハーバリプラムの遺跡には、東西貿易によって西側から伝わったとされるスフィンクスが描かれています。
考古学者アローク・トリパティさんにパンチャ ラタ(Pancha Rathas(5つの山車(だし)))の遺跡を案内してもらいます。
屋根や壁面には細部に至るまで細かな彫刻が施されています。
また、5つの山車の周りには、山車を引くための象や、パッラヴァ朝のシンボルであったライオンの彫刻もあります。
パンチャ ラタの遺跡は、一見バラバラな造形物の集合に見えるが、実は元々は一つの巨大な岩を削って作られたものなのだそうです。
【セブンパゴダの1つ目?】
海岸寺院はヒンドゥー教における初期の建築の傑作で、他の遺跡とは異なり、切り出した石を積んで造られた石積みの建築です。
海岸寺院は7つのパゴダのうちの一つとされ、この海岸寺院こそ「地上に唯一姿を残されたパゴダ」のことなのだといわれます。
建築された当時は今よりももっと大きな構造でしたが、これまでに打ち寄せた高波によって浸食されてしまったのだといいます。
本格派ヨガスタジオ「Yoga Padma Rishikesh」ラージ先生のヨガ実演
「ヨガには生き物のエネルギーを体に取り込む意味もあります」
ライオンのポーズ
カメのポーズ
【クイズ1】
このポーズのモデルとなっている生きものは?
(あぐらをかいた両足の間に両腕を下に通して両手で立つ)
→にわとり
肩と腕の筋力を高めて生命力を高める
にわとりは毒を食べても生きるといわれ、免疫力を高める
【セブンパゴダの2つ目?】
津波が発生した翌2005年、海岸寺院から南に100mの地点で寺院の跡が発見されました。
遺跡の規模は海岸寺院の1.5倍ほど。
寺院であることの証拠となる出土品が発掘されたそうです。
【セブンパゴダの3つ目?】
海岸寺院の北側、波打ち際には祠が遺されています。
かつてはこの祠を囲むようにして建物が建っていたのだそうです。
【セブンパゴダの残り4つ?】
地元の漁師さんの案内で砂浜から船で沖合に出ると、波がとても高く、船が大きく揺れ、打ち寄せる高波を頭から被る状態です。
陸から500mほどの地点で、波間に頭を見え隠れさせているクジラの背中のような黒い岩礁が存在しました。
周りの海底には崩れ落ちた建物の痕跡があるともいわれています。
付近は海流が強く、ダイバーによる水中調査が禁止されているため、水中カメラを投入しました。
海水は濁り、水深は5m。
過去に考古局が海軍と共同で行った調査では、人工の四角いブロック、外壁の跡、杭の跡が発見されたそうです。
ガンガーの降下、パンチャ・ラタなどの遺跡の多くが、一直線上に延びる岩盤に存在していて、同様にこの海底で繋がって南北に延びる岩盤がセブンパゴダのうち残る4つの寺院なのかもしれないそうです。
大きなサイクロンが多発する地域のため、高波で浸食された可能性があるといいます。
貿易の要所であり、船からの目印として、また航海の安全を見守る印として、わざと沖合に建てられたのではないかといわれています。
【クイズ2】
日本人にも馴染み深い インド発祥の占いは?
→手相占い
ヒンドゥー教の僧侶が身に着けているのは、占星術と手相占い。
占い師・ディーパック・シャルーマさん「手のひらにある手相以外の丘も重要な占うためのポイントで、丘の大きさによりどのような人かわかる」
幻の大陸「クマリ(女神) カンダム(大地)」
「クマリ」は女神、「カンダム」は大地、を意味し、クマリカンダムは「女神が宿る大地」であるそうです。
女神信仰が色濃く残っているマドゥライの街にそびえる巨大な塔は、ミーナークシ寺院のゴープラムです。
人物や動物が1000体。
くりくりした目が可愛らしい女神ミーナークシは、安産の神様です。
寺院のそばの木の枝にディスプレイされている黄色いカゴはお供え物で、ゆりかごと子どもを表す人形なのだそうです。
家に女神を呼び込むために、女性が毎朝家の前の地面に描いている白い紋様はコーラム。
米粉を使用しているため、コーラムに虫が集まり、家の中に入らないともいわれます。
コーラムは家々独自に模様があり、女性の花嫁修業の一つともされ、各家庭で受け継がれているそうです。
南インドの伝統的な医療:自然界の動植物を利用したシッダ医学
南インドでは、インド古来の医学とされるアーユルヴェーダよりもさらに古い歴史があるという医学なのだそうです。
10日間、特殊な液体に漬けて消毒してあるヒルを使用して、体の悪い部分の血を吸って貰うのだといいます。
4000年以上も前から続いている治療法なのだそうです。
伝統として石の彫刻が受け継がれていて、石像を世界各国に輸出しています。
石工の高度な技術を支えているノミは日本製なのだとか。
思いがけないところに日本との繋がりがあります。
【クイズ3】
石工の技術を活かし日本で作ったものは?
→雪像
彫刻学校の教師ラジェンドラさん「1995年のさっぽろ雪祭りに招待され、「ガネーシャの雪像」で参加しました」
インド映画の制作中心地であるムンバイはボリウッド(Bollywood)とも呼ばれます。これは娯楽映画を多く製作していること、また、制作本数・観客動員数ともに世界トップクラスであることから、ムンバイの旧称ボンベイ(Bombay)の頭文字と、米国映画の中心地であるハリウッド(Hollywood)を組み合わせた呼び名です。ちなみにボリウッドダンス(Bollywood dance)はインド映画のミュージカル場面に登場するダンスの総称で、インドの古典的舞踊にヒップホップやフォークダンスなどの様々な要素が取り入れられています。特に決まった定型はなく、通常、明るい音楽に合わせて大人数で踊ります。
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マハーバリプラムには「都市が神の怒りにより海に沈んだ」という伝説がある?
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【監修・編】松岡 環(まつおか たまき)
1949年兵庫県生まれ。麗澤大学、国士舘大学非常勤講師。大阪外国語大学(現大阪大学)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ 踊るマハラジャ』『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』『女神は二度微笑む』など、インド映画の字幕も多数担当。
【目次】
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第1章: インド映画のここに注目!
第2章: インド映画のスター
第3章: 見ておきたいインド映画ベストセレクション
第4章: インド映画の全貌
第5章: インド映画の多様な要素
第6章: インド映画を知るためのデータと資料
【刊行概要】
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定価:本体2,000円+税/A5判/192頁/2015年10月9日発売