プレアビヒア寺院

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ganeshashin

2012年12月8日放送「世界ふしぎ発見!」は、「踊る神々 あなたの知らないもう一つのタイ」(ミステリーハンター:諸岡なほ子さん)でした。

 

2011年の洪水が記憶に新しいタイ。

ほほえみの国と呼ばれる敬虔な仏教国です。

アユタヤを中心に洪水が起きましたが、洪水には慣れたはずの地元の町の人たちにとっても、大きな被害でした。建物には押し寄せた被害の跡がまだ生々しく残っています。

政府が対策していた土嚢が崩れたのだといいます。

 

ワットマハータートというお寺にある木の根元に埋め込まれたような仏様の首は、アユタヤ王朝時代の仏像のものです。

ビルマによる侵攻により首を切り落とされたもので、それから地中に50年埋まっていたらしいです。

出土された後に安置していた場所に、木が生えてきて仏像の首を飲み込んでしまったのだそうです。

 

カンボジアのアンコール・ワットに飾られているようなヒンズー様式のレリーフに表現されている神様が、なぜタイの仏教寺院で見られるのでしょうか?

その理由は、カンボジア中心に興ったアンコール王朝時代、現在のタイの地域でヒンドゥー教の影響を受けた寺院が数多く建てられた名残なのだそうです。

当時建設されたヒンドゥー寺院はその後に広まった仏教の影響によって壊されることはなく、仏教寺院としてそのまま使われているのだそうです。

 

ヒンズーの神々の三大神は「ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ」です。

王室御座船パレードの船首にも、ヒンドゥーの神様がいます。
アナンタ
ビシュヌ
ナーガ(7つの頭の蛇の頭を持つ)
など

ラーマーヤナの物語が、日本の桃太郎や中国の西遊記に影響を与えました。

 

首都バンコクのデパートの前にはヒンズーの三大神の廟があり、縁結びの神様として人気があります。

木曜日の夜9時半には、神々が地上に降りてくると言われ、赤いバラを供えに来る人々で大変賑わいます。

ガネーシャ(ゾウの頭の神)は学問の神様です。

タイの人々の間では、ヒンドゥの神様も抵抗なく普通に受け入れられているのだそうです。

 

ロップリーという町では、サルが町中の至る所にいます。

ラーマーヤナに出てくるハヌマーン(王子を助けたサルの戦士) に、ご褒美として与えられた町となっているのだそうで、まるでサルに占領されたような状態で共存しています。

町の人はサルの存在に慣れて注意して過ごしていますが、知らない人が無防備に買い物袋をぶら下げてでもいたら、取り囲まれてあっという間に強奪されてしまいます。

 

【クイズ1】
シヴァ神は七福神のどの神様になった?
→大黒天
シヴァ神は破壊の神。
シヴァ神の化身であるマハーカーラは、“マハー”とは大きな(もしくは偉大なる)、“カーラ”とは時あるいは黒(暗黒)を意味するので大黒天と名づけられました。
大黒天は元々は暗黒街で悪者と戦う神様で、そこから仏教を守護する武神となりました。

毘沙門天はクベーラから
弁財天はサラスヴァティーから

 

ピマーイは、ラオス国境に近い町です。

ガイヤーン(タイ風焼き鳥)以外にもタイの市場には、プラー(魚の発酵スープ)や昆虫(コオロギ、バッタ、カイコのサナギ、タガメなど)が並びます。

タガメの唐揚げは、羽と足と頭を取って頂きます。

サイガームと呼ばれるスポットは一見森のように見えますが、樹齢350年以上の1本のベンガル菩提樹が伸ばした枝から次々に根が生えて成長した姿なのだそうです。

望みを叶える聖なる木とされていて、根元にはお供え物がたくさんあります。

今は仏教寺院のピマーイ寺院にも、ヒンズー教影響を受けたクメール王朝時代のクメール文化が息づいています。

参道にはナーガ神の像。

入り口を護るシンハー(獅子)は、神社の狛犬や沖縄のシーサーみたいです。

 

アランヤ〜スロエム〜を経て、最後は徒歩でプレアビヒア寺院を目指します。

山頂に1000年前(クメール王朝時代)にできたプレアビヒア寺院は、世界遺産にも登録されていますが、

付近はカンボジア内戦でポルポト派によって地雷原となった危険な場所でもあります。

参道の入り口にはやはり、シンハー(獅子)像があります。

第4楼門には、ヒンドゥー教における天地創造神話である「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」が表現されています。

本殿は上部が崩れて基礎だけになっています。

本殿の先は断崖絶壁で平野を一望の下に見渡す景色が広がっています。

 

プレアビヒアはカンボジアとタイの国境地帯に位置していて両国が領有権を争って対立してきました。プレアビヒアの遺跡そのものの帰属については、国際司法裁判所が1962年にカンボジアに帰属するという判断を示していますが、その周辺のおよそ5平方kmの地域を巡っては国境線が確定していません。このため2008年に世界遺産に登録されたのをきっかけに紛争が再燃し、カンボジアとタイの軍隊が対峙して武力衝突が繰り返されてきました。このため2011年にカンボジアは寺院遺跡の周辺地域の帰属の確認を求め、オランダのハーグにある国際司法裁判所へ訴訟を行いました。寺院遺跡周辺の帰属を巡る裁判は2013年4月から公開の法廷での審理が始まり、国際司法裁判所は日本時間の2013年11月11日夜判決を言い渡す予定で、判決には両国の副首相が出席する見通しになっています。両国の軍事衝突にまで発展した領有権争いで、国境の確定を巡って裁判所がどこまで踏み込んだ判断を示すのか注目されます。

→判決では帰属が確定していない遺跡の周辺地域およそ5平方kmのうち、遺跡がある高台をなす一帯についてはカンボジアに帰属するという判断を示しました。一方で、遺跡の周辺に広がるその他の地域については判断を示しませんでした。今回の判決で争われていた地域すべての帰属についての判断が示されなかったことから、両国の紛争の火種は未だ残ることになります。

 

【クイズ2】
お寺の建材としてお坊さんたちが集めたものとは?
→ビール瓶
ワッパー マハー チェディー ゲェオでは元々がゴミ捨て場でした。
「中身のお酒は良くないものだが瓶に罪はない」ということで、
駐車場から火葬場に至るまで徹底的にビール瓶が再利用されています。
本堂の飾りもビール瓶キャップが使われています。

 

バンコクにもブラフマーの廟(びょう)があります。

慣用されている「バンコク」の正式名称は長く、「インドラ神がヴィシュヌカルマ神に命じてお作りになった、インドラ神が権化としてお住みになる、多くの大宮殿を持ち、九宝のように楽しい王の都、最高・偉大な地、インドラ神の戦争のない平和な、インドラ神の不滅の宝石のような、偉大な天使の都」となります。

バンコクの市場には、トウガラシやコショウなどのスパイス、発酵食品が並びます。

トウガラシはヨーロッパから伝わり、クメール時代にインドからコショウが伝わりました。

市場は電車の線路を覆うように店先を構えているので、電車が通行する時だけテントの幌を上げ、商品の陳列棚を後方に下げて通します。

電車がすぐ横をかすめるように通過していった後、素早くテントの幌を下げ、商品や陳列棚を元に戻し、また何事もなかったかのような市場の様子になります。

線路は土地代がタダだからなのだそうです。

 

【クイズ3】
食生活の欧米化によって作られるようになった農作物とは?
→ブドウ
水上農園で栽培されています。
水路を使って船で収穫をしているそうです。
サイアムワイナリーでは最高級のタイワインを作っています。

通常ブドウは北緯30〜50度、南緯20〜40度付近で栽培されているため、タイワインは低緯度ワインと呼ばれます。

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コメント

    • k-co
    • 投稿日 (Posted on):

    ネット通販大手のアマゾンジャパンで申し込むことができる僧侶の手配サービスが始まった。このサービスが「宗教行為を商品化している」として、全国の主要宗派などでつくる全日本仏教会(全仏)が年明け、米アマゾン本社に対して文書でサイト掲載の中止を申し入れることが分かった。アマゾンは今月上旬、葬儀社紹介サイト運営の「みんれび」(東京)が提供する僧侶の手配サービス「お坊さん便」をサイトに掲載しはじめた。サービス自体はみんれびが2年前に始めたもので、定額・追加料金なしで僧侶を法事や法要に仲介する。登録する僧侶は約400人で、主な宗派をそろえているという。仲介の実数は公表していないが、2014年は前年の3倍の受注があったとしている。みんれびはサービスを広げようとアマゾンに「出品」した。売買されるのは僧侶の手配を約束するチケット(手配書)で、基本価格は税込み3万5千円。クレジットカード決済もできる。アマゾンやみんれびの手数料を除いた分が僧侶に「お布施」として入る。アマゾン経由でみんれびに10件以上の申し込みがあった。これに対し全仏は2015年12月24日、斎藤明聖(あきさと)理事長名で「宗教行為をサービスとして商品にし、宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ない」との談話を発表。斎藤理事長は25日、朝日新聞の取材に「イスラム教圏であれキリスト教圏であれ、宗教行為を商品化している例はない。申し入れをアマゾンとの対話のきっかけにしたい」と話した。アマゾンジャパン広報は「現時点でお答えできることはなく、コメントは控える」としている。

      • k-co
      • 投稿日 (Posted on):

      仏教界が神経をとがらせるのは、宗教行為の「商品化」や「ビジネス化」が広がると、宗教法人へのさまざまな税制優遇の根拠が揺らぎかねないと懸念しているからだ。現状では、宗教法人が得るお布施は喜捨(きしゃ、寄付)とみなされ、法人は消費税を払わなくていい。僧侶個人が得たお布施は所得税の課税対象になるが、法人に入った場合は法人税が非課税だ。「お坊さん便」では、手配サービスを手がける「みんれび」側の所得は課税対象だが、僧侶側が取り分を納税するかは、僧侶側に委ねているという。最近でも、都心のビル型納骨堂に東京都が固定資産税をかけたのに対し、宗教法人が「墓地と同様に非課税」と主張して都を提訴するなど、宗教とビジネスの課税上の「線引き」をめぐって税務当局と宗教法人は緊張関係にある。全仏は、2009年に葬儀業に参入した大手スーパーのイオンが10年に寺院を紹介するサービスを始めた際も、「お布施が『ギャラ』のように表示され、寺が戒名を売買している印象も与える」などとして、料金表示の中止を申し入れた。現在イオンでは、対象は菩提(ぼだい)寺のない人に限ったもので、お布施は「目安」とホームページ上で明記。口頭でも説明している。

      • k-co
      • 投稿日 (Posted on):

      “宗教行為を商品化”したというのなら、現在のような“葬式仏教”にしたのは“寺”なので、そもそもそれが諸悪の根源。全日本仏教会が みんれびに対して文句をいうのならまだ分かるけれど、Amazonは仲介しているだけなので、因縁を付けられる筋合いは無く、ただの“とばっちり”だと思う。これが楽天市場で出してたら楽天が訴えられるってことになるわけでしょ? それは違うでしょ(笑)。全日本仏教会が諸法の実相を理解していないというのはお粗末過ぎる。

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