ナポリの歴史地区

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Harbor of Napoli Fishing Village

2012年12月16日放送「THE 世界遺産」は、「異国の王が育てた港町 ~ ナポリ歴史地区(イタリア)」でした。

 

手を浸すと染まりそうな、きれいなブルーの海の色。

南イタリアのカプリ島の名所として有名な、青の洞窟に入るための入り口は、ほとんどが波に隠れ、閉ざされています。

船底に寝そべりながら、波間に見え隠れする狭く低い洞窟の入り口から中に入って行くことができるのは、潮の干満のタイミングや天候、波の高さなど条件の良いときに限られます。

狭い入り口から眩しい外の光が差し込む時、透き通った海面が神秘的な青い輝きを放ちます。

ヴェスヴィオ火山の麓の港町であるナポリは、海上貿易で繁栄しました。

地中海の中心地としてナポリは交易の拠点でした。

 

ナポリの朝は港から始まります。

獲れたて新鮮な海の幸が水揚げされています。

波の静かな天然の良港として海産物に恵まれてきました。

 

Naples_1

 

歴史は紀元前5世紀にさかのぼります。

ナポリの語源はギリシア語の「ネアポリス」(新しい町)から来ているそうです。

 

華やかな王宮はナポリがスペイン人の支配下であった頃のものです。

荘厳な白亜の大階段
外交の間
玉座の間

スペインの支配がナポリにトマトをもたらしました。

スペインは新大陸から観賞用に持ち帰ったトマトを食用に改良したのです。

そして生まれたのが、スパゲッティ・アル・ポモドーロでした。

 

交易の要所ナポリは奪い合いの的となり、度重なる異国からの支配の面影を残す城や王宮がたくさんあります。

海に突き出た卵城はノルマン人(バイキングの末裔)が築いたものです。

要塞の砲台は海ではなく街に向いていて、市民の反乱を恐れていたのだそうです。

フランスの支配下だった頃に造られたヌオヴォ城の白い凱旋門はその後にスペインの王が付け加えたものなのだそうです。

 

Naples_2

 

路地裏に匠あり。

創業150年の傘屋さんは今でもオールハンドメイドの傘を作っています。

傘は上流階級のステータスシンボルでした。

今も息づく匠の技を求めて、世界中から注文が舞い込んでいるそうです。

 

サンタ・ルチア港はナポリ民謡に唄われた場所です。

ナポリの旧市街地であるスパッカ・ナポリ街は路地が迷路のように入り組んだ、賑やかな下町です。

ベランダからカゴを降ろして買い物をしています。

向かいの家同士で上階の間に渡したロープが頭上に張り巡らされ、干された洗濯物が風にそよぎます。

 

14世紀に建てられたサンタ・キアーラ教会大聖堂、かつて壮麗なアポロン神殿でした。

ナポリ銀行資料室の地下、過去への扉を開くと、そこには2500年あまりの時を経た煉瓦造りのアーチが今もなお残っています。

ナポリの至る所に埋まっているローマ時代の遺跡の跡の一つです。

現在の街並みは3mほど高く、古代遺跡の上に新たな家を積み上げて造られているそうで、地面の下には古代ローマの街が丸ごと埋まっていることになります。

 

石造りの共同洗濯場では毛布を洗ったり染色をしたりしていたそうです。

賑やかな街の中心にはアーケードがあり、パン屋など様々なお店の跡が残っています。

魚屋さんにある魚をさばくための石台には水を流すための傾斜が付けてあって清潔に保つ工夫が見て取れます。

 

かつての労働者の定番ランチと言えば立ち食いパスタでした。

パスタ料理店ティンパニ・エ・テンプラには、ナポリ下町の名物「ティンバッロ」がメニューにあります。

ティンバッロは一見ケーキのように見えますが、茹でたスパゲッティを具と一緒に丸い型に入れ、オーブンでこんがりと焼き上げて作られます。

こうして焼き固められたパスタは、切り分ければ手づかみでも食べやすく、冷めても美味しいのだそうで、日本のおにぎりみたいな携行食なのだそうです。

 

18世紀、オペラの都となったナポリは、現在のオペラのスタイルを完成させた地なのです。

後のスペイン王カルロ7世の庇護の元、宮廷文化が花開きました。

伸びやかな声の響きを空間いっぱいに広げるような歌い方は、ベル・カント(美しい歌)と呼ばれます。

ヨーロッパが熱狂した独特の歌声が、王宮内にある宮廷劇場に響きます。

 

一日の終わりは酒場に集いカンツォーネを歌いながらみんなで賑やかに過ごします。

それはまさに街角のオペラであり、街全体がまるで劇場のようです。

オー・ソレ・ミオ、フニクリ・フニクラなどのカンツォーネ曲は、ナポリが生まれ故郷です。

 

 

アクセス:ナポリ

ナポリの歴史地区
Historic Centre of Naples

 

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カプリ島はナポリのベヴェレッロ港から高速船で1時間弱のところにある気品溢れる優雅な避暑地です。カプリ島に行く理由はなんといっても青の洞窟ですね。青とも水色ともエメラルドとも言えない、透き通った不思議に光る薄青の神秘的な海の水は、ミステリアスに美しく、遙か昔から人々を惹き付けて止まない自然の魅力に浸ることができます。一度は行ってみたいと思っている人も多い観光名所。

そんな青の洞窟はなかなか手強く、簡単には中に入れてくれません。天気が良くても高潮だと入れません。冬より夏、午後より午前と、入れる確率が上がります。入る時には船頭さんの掛け声で、体を小舟の中で完全に倒して、水が引いた隙に洞窟の中へ滑り込みます。朝8時半の高速船でカプリに向かうと10時前には青の洞窟の入り口に。洞窟の前の小舟が混雑する前の早朝がおすすめ。

カプリ島に高速船で着いたら、港から出ている青の洞窟行きのボートに乗り換えます。青の洞窟の近くまで来たら、ボートからさらに2、3人ずつ小舟に乗り換えます。そして、せーの!でタイミングを合わせて一気に洞窟の中に入っていきます。

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