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アミアンの湿地菜園オルティヨナージュ(フランス)
2013年6月1日放送「世界ふしぎ発見!」(第1276回)は、「奇跡のリンゴ フランス・農村へ行こう! 大地の美食レストラン」(ミステリーハンター:諸岡なほ子さん)でした。
フランス料理は、ベルサイユ宮殿と同時期、ルイ14世の時代に発展したといわれます。
広大な大地から生まれた豊かな食材を洗練された調理法によって芸術の域にまで高めた伝統が、世界遺産にも登録されているそうです。
この伝統あるフランス料理は日本人とも関係が深いといわれます。
≪フランスの伝統的なリンゴの名産地:モントルイユ≫
パリ近郊の街モントルイユは、古くからのリンゴの名産地です。
ホワイトピンクと薄紅色が混ざったリンゴの花が咲き乱れています。
街の農業試験場では、リンゴの栽培を通して子どもたちに街の歴史を教えています。
モントルイユ地方園芸会社のフィリップ・シュレールさん「この絵が描いてあるリンゴ、どうやって描いたか分かるかい?この街では昔、こんなリンゴがたくさん作られていたんだ。」
絵や文字が描かれた「マーキングリンゴ」は、モントルイユでは17世紀から作られていて、王侯貴族たちに献上されていたそうです。
しかし20世紀半ばに一度、マーキングリンゴの技術は途絶えてしまいましたが、最近やっと復活したのだそうです。
フィリップさん「水着の痕みたいなもの、海で日焼けするのと同じことなんだ。」
マーキングリンゴは日光写真の要領で作られます。
リンゴの皮がまだ赤くならないうちに上から絵や文字を象ったシールを貼って影になるようにし、日光が当たって赤くなった部分との対比で絵が白っぽく浮かび上がるように作ります。
フィリップさん「これは日本から送られてきたすごい袋だ。リンゴに服を着させて日焼けしすぎを防ぐんだ。日本のおかげでモントルイユのマーキングリンゴは復活したんだ。どうもありがとう、ムッシュサトウ。」
フィリップさんは廃れたモントルイユの伝統を復活させたいと、日本のリンゴの名産地である青森県の弘前市の生産者に連絡を取ったのだそうです。
佐藤袋店の佐藤義博社長「12〜13年前、FAXで依頼が入ったんです。戸惑いもありましたけれど熱望されて、私にできることであればご協力致しますということで、今でもずっと交流は続けております。」
2004年、ヴェルサイユ市では日仏合同のマーキングリンゴ展覧会が開かれました。
≪奇跡のリンゴ≫
モントルイユから9200km離れた弘前の5月は、リンゴの花の季節です。
この弘前のあるリンゴ農家の物語が、映画化されるそうです。
映画「奇跡のリンゴ」(2013年6月8日から全国東宝系で公開)は、体の弱い最愛の妻のため、絶対不可能とも言われた無農薬リンゴの栽培に挑戦したリンゴ生産者、木村秋則(きむらあきのり)さんの感動の実話が元になっています。
数々の失敗、収穫ゼロ、預金もゼロ、費やした時間はなんと11年・・・それでも偉大なる大地の力を信じて、家族や友人に支えられ、奇跡に挑み続けた、夫婦の愛の物語です。
阿部サダヲさんが持ってるリンゴが木村秋則さんが無農薬で栽培に成功したリンゴです。
野々村真さん「美味しい、あまーい。」
黒柳徹子さん「皮ごと食べられるそうで、サクサクしてる。昔のリンゴはもっと酸っぱかったけど、これ甘いのすごく、美味しい。」
草野仁さん「あっ、ほんとに甘い。もう口に入れた瞬間から爽やかな甘味が口の中に広がりますね。」
木村秋則さん役を演じた阿部サダヲさん「10年間実らないということは大変なことだなと。その間はずっと収入も無いですし。畑を売りながらやってきたそうですもんね。」
現在のリンゴは約4000年間、人間が何回もの改良を重ねてできあがった品種のため、結果として農薬や化学肥料がどうしても必要になるものなのだそうです。
「奇跡のリンゴ」ではどうしても木村秋則さんが無農薬でという気持ちになられたのは理由がありました。
木村秋則さんの妻・美栄子さん役を演じた菅野美穂さん「木村さんの奥様が農薬に対するアレルギーが強くて奥様の症状をなくしてあげたいという思いから、木村さんが無農薬のリンゴ作りに挑戦したのが始まりでした。」
阿部サダヲさん「途中でやめられない、という諦められないですもんね、奥さんへの愛はありますけど。ただ農薬を使わないってことで、害虫の天国みたいになっちゃうんです、畑が。だから近隣の農家から相当、最初苦情が来て大変だったらしいですね。優しい、見やすくていい映画なので、ご家族とかご夫婦で見ていただきたいです。」
≪農村ツアーで美食の旅≫
今フランスでは、大地を感じる美食が大人気だといいます。
地産地消やオーガニックブームを背景に、農村をめぐる旅(農村ツアー)が人気を呼んでいるそうです。
パリの北、およそ130Kmの街アミアンの朝市にでかけると、店先には新鮮な野菜がいっぱい並んでいます。
かつては運河を船で野菜を運んできて、水上で市場が開かれていたのだそうです。
アーティチョーク、ホワイトアスパラガス(別名:マドモアゼルの指先)、蜂巣のような根セロリ(根っこを食べるセロリ)など、このアミアン朝市の野菜が美味しい理由は、オルティヨナージュで作られているからなのだそうです。
オルティヨナージュ(Les Hortillonnages d’Amiens)とは広さ300ヘクタールほどの湿地菜園のことで、中には小さな島がたくさんあって、その島それぞれに畑があったり家があったりします。
今フランスではオルティヨナージュに張り巡らされた運河をボートに乗ってめぐる旅が人気なのだそうです。
船頭のレミ・ランデさん「古代ローマ時代、湿地帯に川の水を引いて水路を作り、その時に掘り出した泥を土地の上に重ねて畑にしました。」
船を乗り換えて畑に上陸。
泥を重ねた土地はとても肥沃なのだそうです。
農家のジャン=ルイ・クリステンさん「エシャロットを植え始めたばかりなんだ。肥えた土地だからね。作物も雑草もよく伸びるんだ。」
クリステンさんの畑は2.5ヘクタールほどで、野菜屑を発酵させた堆肥と水路に溜まった栄養たっぷりの泥だけが肥料です。
まだ種蒔きのシーズンですが、ビニルハウスの中にはラディッシュ、レタスなどたくさんの野菜が実っています。
レタスだけでも12種類、全部で100種類にも及ぶ野菜を栽培しているそうです。
クリステンさんの畑は家族経営ではなく、従業員として2人の社員と2人のパートが働いています。
農作物は週に1度、契約者にだけに販売するシステムとなっています。
ランチはいつも、収穫した野菜と朝市で買った野菜を使って屋外で料理をするそうです。
根セロリはカボチャを切る時くらい力を入れないと切れない程、とっても固い。
皮を剥いた根セロリはスライサーで細長く切って、ジャガイモと根セロリのサラダにします。(諸岡さん「食感は大根とかウドに似てます。」)
茹でたホワイトアスパラガス、ドリンクはシードル(リンゴ酒)です。
木陰のテーブルに従業員みんなが揃って農作業の合間の贅沢ランチ。
クリステンさん「毎日ピクニックしているようなものさ。社員持ち回りでお昼ご飯を作ってみんなで語り合うんだ。」
最高のレストランです。
このような農村をめぐる旅の原点は、18世紀の貴族の人工的な農村作りといわれています。
ヴェルサイユ王立菜園
マリー・アントワネット(1755-1793年)も疑似農業を楽しんだそうです。
プチトリアノン(農村のような風情の離宮)
素朴な農村での遊びは贅沢な癒しの時間だったのでしょう。
(18世紀の貴族たち、マリー・アントワネットも楽しんだといわれる贅沢な癒やしの時間としての農村での遊び、疑似農業のエピソードについては、こちらの記事も参照ください。)
≪三つ星シェフ ミッシェル・トロワグロさんのオーベルジュ≫
パリから南へ、ロワール川を渡り、クルマで5時間のロアンヌへ。
わざわざ尋ねる人が後を絶たないという、緑豊かな農村には、現代のフランス料理界を代表する三つ星シェフの一人、ミッシェル・トロワグロさんのオーベルジュ「ラ・コリーヌ・デュ・コロンビエ(La Colline du Colombier)」があります。(58 Cours de la République 42300 ROANNE)
オーベルジュとは宿泊施設を備えたレストランで、その土地その土地の食材を使った美食を泊まりがけで楽しむという旅のスタイルは、中世から始まったといわれます。
本店の「メゾン・トロワグロ」は親子三代にわたって50年近くも三つ星を守り続けてきた老舗中の老舗レストランで、世界中にファンを持つといいます。
ミッシェル・トロワグロさん「こちらのレストランは元は牛小屋だったのを改装してキッチンが見えるような空間にしたのです。宿泊施設の周りも自然がいっぱいですよ。ほら、日本人が大好きなサクラの木。サクランボがなるんだよ。ここには梨やリンゴ、自然のベリーもたくさんあるんです。」
満開のサクラの花が咲いています。実はサクランボのリキュール漬けなど食用になります。
2名用宿泊施設である「カドル(鳥の巣)」は作業小屋を改装したものです。
ミッシェル・トロワグロさん「カドルは、自分の家に帰ったようにほっとできる。恋人たちのための空間さ。小さなキッチンもある。」
羊毛の壁、ベージュ色の麻のロープを使って網のように編まれたドーム上のベッドルームは、まるで鳥の巣の中にいるような感覚です。
もう一つの宿泊施設である「コロンビエ(鳩小屋)」は、フランスで”ジット”と呼ばれる田舎の農家の佇まいを活かして修復した宿で6〜7人の家族で利用できる広さです。
コロンビエとは鳩小屋を意味します。
鳩小屋はかつて、貴族や聖職者の権力の象徴でもあったそうで、高い円形の塔は見張り台の役割も果たしていたそうです。
カドルと同様にコロンビエにもキッチンが設けられています。
ミッシェル・トロワグロさん「ここではみんなに土地のものを味わって欲しいのです。市場で買ったり、私たちの食材を分けることもできるんですよ。」
自分で採ったキノコをシェフにお裾分けしてくれる宿泊客もいるそうです。
「ラ・コリーヌ・デュ・コロンビエ」は夫妻の長年の夢でした。
夫人マリー=ピエールさん「ここには360度の自然とそこから生み出される食材の贅沢があります。三ツ星レストランとは別の贅沢をお客様と分かち合いたかったのです。」
ミッシェル・トロワグロさん「ここは本店にも近く、私は幼い頃から父に連れられて生産者を訪ね、この土地の食べ物に触れてきました。8年前ここの牛小屋や鳩小屋が廃墟になっているのを見た時に、何らかの形で甦らせたいと思ったんです。それは日本人が持つ食べ物を敬うという哲学に近いのかも知れません。ここでは、フランス料理本来の家族とともに人生の節目を祝うような温かく家庭的な食卓を大切にしたい。」
前菜はアーティチョークのフリット ミント風味
諸岡さん「アーティチョークのホクホクした食感とバジルの香り、そしてオリーブオイルの濃厚な香りが口いっぱいに広がる」
主菜はフォアグラと肉のキャベツ包み蒸し、牛肉のキャベツ包みだけだとフランスの家庭料理そのままですが、シェフはそこに大きなフォアグラを入れたのだそうです。
宿泊客「とっても素晴らしい」
「独創的」
「彼の料理はフランスの伝統的な味を引き継いでいる。独創的だけど、心が温まる味なんだよ。」
【クイズ1】
フランス語で「大地のリンゴ」と呼ばれる農作物とは?
→ジャガイモ
南米から持ち込まれたジャガイモでしたが、18世紀、土の中でできる農作物は卑しい食べ物と思われていたため、当初は誰も食べようとしなかったそうです。
しかし、飢饉に備え王妃マリー・アントワネットは率先してジャガイモのPRを行い、ジャガイモの花を身に着けて「大地のリンゴ」と呼びました。
「大地のリンゴ」という名前の由来は、姿が似ているからとも、リンゴと同じように大切だからともいわれています。
≪フランスの美食を支える日本人の活躍≫
パリ8区、凱旋門の近くにあるのが、地元に愛されるリンゴがテーマのレストラン「ボムズ(pomze)」です。(109 Boulevard Haussmann, 75008 Paris)
ポムズはリンゴという意味で、ポムズの料理には必ずリンゴがどこかに使われているのだといいます。
前菜はちょう蟹と青リンゴのサラダ、イラクサソース、チーズクリーム入りパンのスフレ添え
魚料理はとろける特上サーモンの切り身のロースト、根野菜とリンゴソース
ポムズの朝は100個以上のリンゴの皮剥きから始まります。
厨房を訪ねると、全て日本人でシェフの手島さんを筆頭に6名が働いていました。
シェフの手島竜司さん「最初からこんなに日本人ばかりではなかったんです。最初は僕が入ったんですけど、僕一人であとは色んな国籍の人がフランス人ももちろんそういう人達がいました。その後
次々と日本人が入りました。」
パティシエの大石直子さん、続いて赤沢さん、松下さん、半田さん、森藤さん、今や総勢6人。
オーナーはフランス人のダニエル・ダイアンさんは「リンゴは郷愁を誘う力がある」とリンゴのレストランを作りました。
そのコンセプトと丁寧な仕事が評価され、常連客が絶えないといいます。
ダニエルさん「日本人は真面目で律儀できちんとモノ作りをこなす。そして仕事に対して情熱的で愛がある。僕の大切なスタッフだ。」
手島さん「僕が来た当初だと、まずは日本人がレストランに入ることすら結構難しかった状態でした。ここ数年だと、フランス人が(日本人を)すごい認めてきて、今では色んなレストランも『シェフとして日本人が欲しい』ということがよくあります。」
肉料理はランド県の鴨胸肉 焦がしたリンゴ アピシウスソース
諸岡さん「しっかりとした鴨の香りと味がします。それをまたリンゴのソースがお互いを引き立て合ってる感じです。」
デザートはリンゴのチーズケーキ、その他リンゴのメルパなど
パティシエの大石さんが担当で、丸ごと凍らせたリンゴをおろし金で削り、チーズケーキの上から雪のように振りかけます。
諸岡さん「ほのかに口の中でシャリシャリいってます。甘酸っぱい。美味しいです。後からそして濃厚なチーズの味が来ました。」
この幸せな味の背景には理由がありました。
手島さんと大石さん「5月5日に結婚します」(2013年5月5日 結婚)
≪奇跡のカブとは!?≫
美食の国フランスを支える日本人は他にもいます。
パリ郊外の雑木林に囲まれた小さな畑で栽培される野菜が、パリの三ツ星レストランで評判となり、特にカブは「奇跡のカブ」とも呼ばれているのだそうです。
農家の山下朝史(やましたあさふみ)さんは、パリ郊外で奥様と共に農業を始めて20年になるそうです。
山下さんが作る野菜は、フランスで奇跡の味と呼ばれているといいます。
山下農園の畑の面積は、フランスでは農業とは言えない狭さだといいます。
山下さん「ほんとにごく狭い範囲です」
諸岡さん「とっても本格的な家庭菜園みたいな感じですね」
山下さんが栽培するのは全て日本の普通の野菜ですが、いつしか口コミで評判になり、若手天才シェフのパスカル・バルボ氏やピエール・ガニェール氏、二ツ星シェフのエリック・ブリファー氏など、パリの三ツ星レストランがこぞって山下さんの野菜を求めるようになったのだそうです。
山下朝史著「パリで生まれた世界一おいしい日本野菜」(主婦と生活社刊)
特にカブは奇跡のカブとまで評されるようになったのだそうです。
山下さん「自分達が食べたい野菜を作りたい」
皮を剥いて、奇跡のカブを戴きます。
諸岡さん「ホントにビックリしました。柿を食べてるような感じです。何でこんな味になるんですか?」
山下さん流の良い野菜の条件とは?
1. 順調に育てられている
2. 旬の間に収穫する
3. 鮮度を守る
「(鮮度を守るとは、つまり)収穫してから人の口に入るまで上手に管理されたものってのが『良い野菜』なんですよ。それを作ろうとしてるんですけど。美味しくするために何か特別なことをしてるかっていうと、そうじゃなくて常に世話をしてるってことぐらいしかない。」
もともと一般的なフランスのカブは、堅くて大きく繊維が多いため、長時間煮て食べる野菜と思われていました。
そのため、生でも食べられる日本のカブ、特にその美味しさを最大限引き出した山下さんのカブは、フランス人に衝撃を与えたそうです。
でも数が限られているため、山下さんが出した取引条件が「好きな時に、好きな野菜を、好きなだけ、好きな値段で」
その「好き」というのはシェフではなく、山下さんの「好き」、つまり山下さん側の都合を全て飲むという条件なのでした。
山下さんは23歳で渡仏した後、数々の職業を経て行き着いたのが農業だったといいます。
農業は全くの素人からの出発でしたが、だからこそ自分のやり方を曲げず、それがフランス人に歓迎されたというのです。
農業を続ける裏には家族の支えもありました。
尚美夫人「おいしい野菜が食べれるならという気持ちで始めた。こんなに大変とは思わずに始めた。」
娘の英子さんは嫌いな野菜もお父さんのものなら美味しいから食べられるのだそうです。
現在山下さんが契約するレストランは7軒で、多くは三ツ星ですが、その中には山下さんの野菜を使い始めてから星を獲得したレストランもあるそうです。
レストラン「イ・ティネレール」一ツ星シェフのシルヴァン・サンドラさん「山下さんの野菜はいつも美味しい代わりに、不規則だし、カブが3個だけというときもある。でもそこがいいんだ。彼はロックンローラーなんだよ。何が出てくるか予想ができなくて、いつもワクワクさせてくれるんだ。」
山下さん「君もそうだろ?」
シルヴァンさん「そうかな?」
鳩肉のロースト ムッシュ山下の野菜添え
諸岡さん「鳩の料理なんですが、カブがたくさん並んでます。バターの香りと一緒になってとても日本では味わえないカブの味がします。甘いカブの味がどんどん染み出してきます。ほんとに美味しいです。」
春のフランスで旬の農作物からクエスチョン
フランス語で水玉模様という意味の農作物があるそうです。
その農作物は、美しくお皿に盛りつけられた様子は、たしかに水玉模様のように見えます。
【クイズ2】
フランス語で「水玉模様」という意味を持つ農作物とは?
→グリーンピース(グリンピース)、エンドウマメ※
※グリーンピースは豆科エンドウ族の若い青い実のことを指すため「エンドウマメ」と同義
グリーンピースはプティ・ポワ(水玉模様)と呼ばれます。
イタリアから持ち込まれたグリーンピースは、自ら菜園も作っていたルイ14世(1638-1715年)の大好物だったそうで、宮廷でも大流行しました。
当時の宮廷では、朝から晩までグリーンピースの話題で持ち切りだったそうです。
≪フランスのオーガニックブームの理由はベビーブーム≫
フランスでも今、無農薬が大変なブームになっています。
そのブームには意外な理由がありました。
オーガニック食品はフランス全土で10年ほど前から定着しました。
スーパーマーケット「ビオセボン ピガール広場店」でも、お肉や野菜、チーズなど、ホントに色んなものが売られています。
フランスでオーガニックはビオ(BIOLOGIQUE)と呼ばれます。
オーガニックとは化学肥料や農薬を一切使わずに、自然の力だけで作られたものを指します。
家畜に関しても、飼育環境が汚染されていないなど様々な条件があって、厳しい審査をパスした製品のみがロゴ「ABマーク(certifie agriculture biologique)」の使用が許可されます。
オーガニックの農地面積はここ4〜5年で急激に増加してきました。
それはフランスのベビーブームとも重なるという説もあるそうです。
買い物客の女性「子どもたちの健康を考えるようになってからオーガニック食品を選ぶようにしています」
≪丸ごとオーガニック村≫
南仏に、オーガニックブームの火付け役ともなった小さな村があります。
パリから電車で3時間、さらに車で1時間かけて辿り着いたコランス村(CORRENS)の入り口の看板には「フランス初のオーガニック村」と記されています。
若者が減り続け、過疎化が進んでたコランス村では、その絶望的な状況を立て直すため、1995年、村を丸ごとオーガニックにするという当時は突拍子もないアイデアが誕生しました。
発案者であるコランス村村長のミカエル・ラッツさん「コランス村は当時取り柄の無い村でした。私は村民にこのままでは未来が無いと村ごとオーガニックにすることを提案しました。反対する人はいませんでした。」
20年前、何かしなければ後はないと村全体で始めたオーガニックに対して、真っ先に賛同したのはブドウ栽培者たちでした。
ブドウ栽培者の共同組合長であるファヴィアン・ミストルさん「最初は収入も安定せず、病気でブドウが全滅した時もありました。でも村の再生のためにはとにかくやるしかなかったんです。」
5〜6年前からやっとオーガニックのブドウ栽培も軌道に乗り始め、今年のブドウも順調に育っているそうです。
ブドウのつぼみができています。
ファヴィアンさん「これがどんどん成長していくとあの垂れ下がったブドウの実になるんです。」
ブドウ栽培の組合では虫よけにハーブや銅などのミネラル成分を使用し、肥料は家畜のフンなどで作った堆肥と決められているそうです。
さらにファヴィアンさんは昔ながらの方法を取り入れて評判となっています。
ガエル夫人が連れているのは大きな馬。
ファヴィアンさん「馬と一緒に畑を耕します」
鍬のような爪が付いた鉄製の機具を馬が引き、雑草を抜いていく仕組みで、しかも馬のフンが肥料にも活用できるので一挙両得です。
ワイン醸造所もあります。
馬が活躍するファヴィアン家のワインは、とても美味しいと評判なのだそうです。
ブドウの次に村民たちが考えたのがヤギでした。
ブドウ栽培が軌道に乗ると、山間部にあるこの村に適した家畜であるヤギとそのヤギのミルクが原料のチーズを作ってくれる人をスカウトしました。
それが酪農家のフィリップ・カンボンさんでした。
フィリップさんは6年前にマルセイユからコランス村にヤギと一緒に引っ越してきました。
このヤギから搾るミルクもオーガニックです。
ヤギのオーガニック基準
1. ヤギ1頭当たり400平方メートルの土地があること
2. 飼料が全てオーガニックであること
3. 小屋以外での自由な散歩
今やフィリップさんの作るチーズは、コランスブランドとして、村以外でも評判の逸品になっています。
諸岡さん「プルプルですね。すごくフレッシュで食べやすいです。美味しい。」
ご主人の作っているオーガニックのチーズを奥様はどう思いますか?
ロザリー夫人「コランス村のチーズを有名にし、村の再生を手伝う夫は私の誇りです」
ブドウやヤギのオーガニックに成功したコランス村の評判を聞き、様々な人々が集まってきました。
ハーブ農家のディディエさん、化粧品メーカーのヴィクトリアさん
たとえばオーガニックで栽培されたハーブを使ってヴィクトリアさんが作る「オーガニックハーブを使った化粧品」。
レタスやトマトなど数十種類の野菜を栽培する農家のダヴィッド・ムーリーさん(27歳)。
生まれも育ちもコランス村のレア・ブリュネさんは、2012年に24歳という若さでオーガニックの養鶏業を始めました。
レア・ブリュネさん「ずっとこの村にいたいから、まだ村にないオーガニックをと思って、養鶏に挑戦しているんです。」
鶏のオーガニック基準
1. 一羽当たり4平方メートルの土地があること
2. 飼料が全てオーガニックであること
3. 養鶏場内に生えている草木がオーガニックであること
このように村がオーガニックに変わったことで次々と人々が集まってきて、過疎化で500人にまで減っていた人口もなんと今や1000人近くにまで増えたのだそうですが、増えたのは人間だけではないと村長は言います。
コランス村村長のミカエル・ラッツさん「村全体がオーガニックになって20年、まずは虫が増え、その後キジやイノシシなど野生動物たちが山に戻ってきました。」
初めはオーガニックに半信半疑だった村人も、徐々に村の自然が変わってきたことで、今や多くの人が村を誇りに思うようになりました。
コランス村幼稚園・小学校
コランス村では新たに未来への取り組みとして学校給食の多くに、村で生産されたオーガニック食材を使っています。
前菜はひよこ豆のサラダ、メインの主菜は鶏肉のソテー にんじんのクリーム和え
学校給食は子供たちに村の食べ物や歴史を学び、未来につなげてほしいという思いから始まりました。
デザートはリンゴです。
村全体が家族のようにゆるやかに発展してきたオーガニック村コランス、子供達の新しい世界を開く未来の食卓です。
コランス村があるのは山火事が多かったことで知られるヴァール県です。
実は山火事の被害を減らすのに有効な家畜がいます。
【クイズ3】
山火事の被害を減らすのに有効な家畜とは?
→ヤギ
ヤギが山の中からやって来て、草や葉っぱをたくさん食べています。
木の葉を食べて山火事での延焼(燃え広がる)を防いでくれます。
酪農家のフィリップ・カンボンさん「ヤギは木の下の方に生えている下草や葉っぱを食べるので、火が燃え広がるのを防いでくれるんだ。でもヤギが草木を食べ尽くさないように、人間が管理しないといけないんだよ。」
コランス村のあるフランス南東部は、アルプス山脈からミストラルと呼ばれる乾燥した強い風が吹き、山火事が起きやすいエリアとなっています。
そのため、人間が入りにくい場所まで行って余分な葉っぱを食べてくれるヤギは、山火事防止の救世主ともいわれています。
2014年1月30日、諸岡なほ子さんが自身のブログを更新し、第1子を妊娠したことを発表。現在妊娠6ヵ月で5月末に出産予定だという。ご懐妊おめでとうございます。
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津軽半島と下北半島という2つの大きな半島があることで有名な東北の県はどこでしょう?
正解は「青森県」です。
本州の最北部でまるで北海道に向かって伸びているような 2つの半島が津軽半島と下北半島です。これらが囲む湾が陸奥湾で、陸奥湾の中にも夏泊半島という半島があります。
『何から何までりんご尽くし! “弘前りんごトリップ”』10月16日(金)~18日(日)開催!
りんごの収穫体験から、大人の社会科見学、グルメ体験、コトリンゴLIVEまで
スターツ出版株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:菊地修一)が運営する女性向けWEBサイト「OZmall」(会員数230万人)は、りんごをとことん楽しむ 2泊3日の女子旅『何から何までりんご尽くし! “弘前りんごトリップ”』を10月16日(金)~18日(日)に開催します。
詳細はこちら http://www.ozmall.co.jp/experience/00825/event001253.aspx
りんご生産日本一の青森県弘前市を巡る2泊3日のツアー
≪りんごをたっぷり味わって、とっておきの秋旅を≫
“奇跡のりんご”を使った冷製スープほかスペシャルなランチや、地元食材を盛り込んだフルコースが楽しめる老舗のフレンチ「フランス食堂 シェ・モア」での貸切ディナーなど、魅力的なメニューが盛りだくさん。
老舗フレンチでのディナーには、弘前市のりんご課のスタッフも参加。参加者全員がおひとり参加のため、地元の人との交流で、普通の旅にはない街の魅力を感じられるチャンスです。また、青果市場と選果場見学を含む、市内観光やアップルパイの食べ歩きができる「まるごとひろさきアップルパイクーポン」のプレゼントも。
≪このツアーの参加者のためだけに、コトリンゴのスペシャルライブを開催≫
シードル工房「kimori」でのディナー時には、コトリンゴによる生LIVEを開催します。彼女の甘く優しいパフォーマンスに酔いしれて、素敵な時間を。
★コトリンゴプロフィール : 5歳よりピアノを始める。ボストンのバークリー音楽院卒業。2006年坂本龍一プロデュースでデビュー。最新オリジナルアルバムは、ドラマ「明日、ママがいない」主題歌「誰か 私を」収録の「birdcore!」。
旬のりんごをたっぷり楽しむ 8つのポイント
1. 数種のりんごを食べ比べ、好みの味わいを探す収穫体験。
2. 希少品種の紅玉を収穫してアップルパイ作り。
3. 「弘前市りんご公園」でりんご畑散策やお買い物!
4. リンゴ畑でコトリンゴLIVE、人気のホルモンBBQをシードル片手に楽しもう!
5. 大人の社会科見学! 青果市場と選果場で、りんごが流通するまでを見学。
6. “奇跡のりんご”を使った冷製スープほか、スペシャルなフレンチランチに舌鼓。
7. アップルパイクーポンでアップルパイ食べ歩き。クーポンには、植物園や庭園などの入場券も。
8. 老舗のフレンチレストランで貸切ディナー。りんごフルコースを満喫。
ツアー詳細
・旅行日程: 2015年10月16日(金)~ 18日(日)
・ 参加費: 70,000円(税込)
・参加人数: 20名(1組1名様のみ・女性限定)※申込者多数の場合は抽選
ツアー代金に含まれるもの
復航空券、貸し切りバス代、路線バス代、ホテル宿泊費、食事代(朝食2回、昼食2回、夕食2回)、ライブ費 など
「OZmall」とは? http://www.ozmall.co.jp/
「OZmall」は1996年に女性ライフスタイル誌「OZmagazine」のWEB版としてスタート。独自の編集力を活かした特集記事や、高級ホテル・レストラン・ヘアサロン・ウエディング会場などの贅沢なプランがお得に予約できるサービス、心理テストや占い、プレゼント企画などを掲載。ユーザーを“女友達”と考えたサイト展開で、東京女子の支持を獲得しています。