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エルタヒンの壁龕(へきがん)ピラミッド(メキシコ)
2013年4月21日放送「THE 世界遺産」は、「ピラミッドに隠された十字 ~ 古代都市エルタヒン(メキシコ)」でした。
高さ30m鉄柱の上に命綱無しで登る男たち、突然4人の男が宙づりで回転を始める空中遊泳
血塗られたボールゲーム
森で古くから続くウアウアスの儀式は、人力で回転する人間風車。十字形にクロスさせた木の棒に、極彩色の衣装を身に纏った男性たちが掴まって、水車のようにグルグルと勢いよく回転します。豊穣を祈るための雨乞いの儀式なのだそうです。
365個、窓だらけのピラミッド
メキシコ湾から内陸へ30km
そこは熱帯のジャングルが広がる丘陵地です。
7〜12世紀にメキシコ湾岸の中部地方に繁栄したのが、密林に消えた古代都市エルタヒンです。
マヤにもアステカにも属さず、滅亡の理由も不明な謎の古代文明です。
最上部に2つの神殿を設けたピラミッドなど、建築様式は独創的です。
エルタヒンとは雷の神が住む場所を意味します。
約2万人が暮らしていたといわれます。
20世紀になってから本格的な発掘調査・研究が始まり、発掘されているのはまだ全体の1割程度なのだそうです。
Building 5 には雷の神
Building C は支配者の住居跡で、外壁には雷を表す渦巻き模様が描かれています。
生け贄を描いた石碑には、頭部から何匹もの蛇が出てきている人物が描かれています。
蛇は血飛沫を表すそうで、生け贄の首をはねた時の様子が描かれたものだといいます。
髑髏(しゃれこうべ)とともに出土したのは不気味な笑みを浮かべた土偶
彼らこそがエルタヒンを造った先住民、トトナカ人です。
古代の球技場跡に残された壁画が物語る血塗られた儀式
エルタヒン現地にて修復プロジェクトに携わるパトリシア・カスティーナ氏による解説。
トトナカ人たちの球技が描かれた壁画には、腰巻きを着けた男たちがボールを使った球技を行う様子が描かれています。
この球技は娯楽としてのゲームではなく、丸いボールを「恵みをもたらす太陽」に見立てた神聖な儀式として行われました。
トトナカ人の末裔が球技を再現。
2組のチームが天然ゴムで作られたボールを肩、腰、膝(太股)だけを使って打ち合います。
立派な観客席も備えられた球技場は長さ50mほどあり、17ヵ所も見つかっているそうです。
勝利した方が首を切られました。
壁画には生け贄にされる球技者が描かれています。
球技の勝者が生け贄にされた理由は、生け贄となり崇拝する太陽に命を捧げることが最高の名誉だったからだそうです。
太陽に活力を与えるため、強き者の血を捧げたのです。
名物はバニラで、周辺が原産地となっています。
大航海時代にはスペイン人がこの地でバニラと出会いヨーロッパに広めたといわれます。
1000年以上も昔から栽培され、王に献上されていたそうです。
お酒
エッセンス
香水
乾燥した果実をそのまま加工した手作りブローチ
朝日に輝く
Building 1 は、壁龕(へきがん)のピラミッドと呼ばれる四角錐の神殿建築物で、7層構造になっています(Pyramid of Niches)。
壁がんと呼ばれる、外壁四面に作られた四角い窓のような造形をした「窪み」が、建物に美しい陰影と立体感を与えています。
壁がんの数は全部で365個あり、カレンダーだったと見られています。
まさに太陽の都を象徴しています。
トトナカ人の末裔が住む村
エルタヒンの時代から主食はトウモロコシ
当時から大規模な畑で栽培されてきました。
彼らは太陽の恵みを受ける農耕の民なのです。
トウモロコシをすりつぶし、薄く丸く伸ばしてトルティーヤを焼き上げます。
1000年前の建設当時、エルタヒンのピラミッドなどの建築物は、極彩色のカラフルな外観だったそうです。
壁には化粧漆喰が用いられ、綺麗に磨かれていた上に、赤、黄、青、緑など鮮やかな着色が施されていたといわれます。
一部から色彩画が見つかりました。
遺跡の内壁の装飾には、青い色で謎の十字が描かれています。
赤鉄鉱(せきてっこう)で赤色を、アズライト(藍銅鉱:らんどうこう、azurite、アズライト)で青色を着色したそうです。
鳥の羽根でできた絵筆を用いて、壁の装飾が再現されました。
Building 3 の外観は、青色でした。
Building 1(壁がんのピラミッド)は、赤や黒の外観でした。
カラフルに彩られた都の中で、最も使われた色が赤、赤は血の色、生命力を表す命の象徴ともいえる色だからです。
エルタヒンが滅びた後、現在のメキシコシティの郊外、かつて湖だった一帯に、アステカ王国が興りました。
メキシコシティの地下にはアステカの都が埋まっていて、30年前巨大な神殿であるテンプロ・マヨールが発掘されました。
テンプロ・マヨールの遺跡には、儀式の際に神官が生け贄から取り出した心臓を盛り、太陽に捧げたとされる、チャックモールと呼ばれる生け贄の像が残ります。
仰向けになりひじをつくような姿勢で、上半身を起こし、ひざを折り曲げ、顔を90度横に向けながら、両手で腹部の上に皿や鉢のような容器をかかえている人物像です。
太陽の暦石が残り、太陽信仰はエルタヒンから続くものでした。
Building 1(壁がんのピラミッド)に特別な許可を得て、日本のテレビカメラが初めて登りました。
7層目の最上階は高さ25m
エルタヒンの中央に建つピラミッドからは、遺跡の全てを見渡すことができます。
最上階の石碑に彫られていたのは、複雑に絡み合う不思議な幾何学模様と”オリン”と呼ばれる謎の十字の印。
研究者によると、波のようにうねって絡み合う紋様は「絶え間ない動き」を意味し、十字の形をした”オリン”は「回転のシンボル」なのだそうです。
古代エルタヒンから受け継がれてきた伝統的な儀式が森で行われます。
赤を基調とした極彩色の衣装に身を包んだ男性たちは、その出で立ちから鳥の人(鳥人)と呼ばれます。
伝統儀式のボラドーレスは、ひとしきり地上で踊った後、高さ30mの木の棒の天辺へ5人の男性がよじ登ります。
1人の男性が、神木の天辺(棒の先端)に命綱無しの状態で立ち上がります。
そしてその男性がテンポの速いリズムで笛を吹き太鼓を打ち鳴らしながら、その場を足踏みして回ります。
まるで命知らずの曲芸を見ているようです。
日本の出初め式で見る梯子乗りを思い出します。
残る4人の男性が十字の形で逆さ吊りの状態になり、木の天辺に固定されたロープで宙吊りにされたまま高速で回転し続けます。
かなり早いスピードで、見ているだけでも目が回りそうなほどです。
中心の男性が「太陽」を、十字に宙吊りになって回転している4人の男性が「太陽の恵み」を意味するそうです。
エステバン・ゴンザレス村長「これが1000年以上も続いている儀式」
球技場、ピラミッド建築を中心に独自の世界観を築いたのが古代都市エルタヒン
聖なる都は消えても 太陽を信じる文化は今も生き続けています。
アクセス:メキシコ合衆国
エル・タヒン古代都市
El Tajin, Pre-Hispanic City
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コメント
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アウトドア用品で、テントを張るときに四方の綱を止めるために地面に打ち込む小さな杭を何というでしょう?
正解は「ペグ」です。
鉄製のものからプラスチック製、アルミ製、チタン製などさまざまな種類があります。それぞれ特長がありますが、地面に対して45度の角度で打ちこむのが良いのは共通です。タープを張るのにも使われ、Tent peg は、キャンプの醍醐味ですね。