錦帯橋の夜桜 Kintaikyo (Kintai Bridge) in Iwakuni, Yamaguchi

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郷愁の原風景、美しい桜を巡る旅先に、山口県岩国市をおすすめします。

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岩国といえば、葛飾北斎の浮世絵の題材にもなった名橋、錦帯橋ですね。岩国城と城下町を繋ぐ目的で架けられ、今は、満開の桜に彩られています。その数およそ3000本。ソメイヨシノを中心に18種類もの桜たちが美を競い合う様は壮観です。

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日が暮れる頃には300基ものぼんぼりの灯りが灯り始め、その光の中に淡く浮かび上がる桜の姿もまた格別です。夜間ライトアップされた岩国城、錦帯橋、そして夜桜をフレームに収めようとカメラを構える愛好家たちの姿も、岩国の春の風物詩の一つとなっています。

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橋のたもとにひっそりとたたずむのは「巌流ゆかりの柳」です。

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巌流こと佐々木小次郎を岩国の生まれとした作家の吉川英治はその著書『宮本武蔵』の中で、小次郎がこの地で柳と燕を相手に独力で必殺の剣「燕返し」を編み出したと記しました。そんな小次郎が巌流島で武蔵に敗れて400年余り。ゆかりの柳は今も若葉を風にそよがせています。

さてさて、岩国を訪れたらぜひ召し上がっていただきたいのが「岩国寿司」です。

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写真を目にして「ただの押し寿司では?」と思われた方、是非その製作過程をご覧いただきたい! 一度に3升から1斗は入ろうかという大きな木枠に寿司飯と具を重ねて重石で押し固め、日本刀と見まがうほどの特製包丁を用いて切り分けるという豪快さです。味の方はと言いますと──、その製法からは想像もつかないほどの繊細さ。岩国城内で食べられていたことから「殿様寿司」とも呼ばれる伝統の郷土食をお楽しみください。

お城に見守られ、桜を身にまとい一段と美しさを増す春の錦帯橋。年に一度だけの景色を愛でつつ美味なる岩国寿司に舌鼓を打つ旅に、あなたも出かけてみませんか?

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