カリフォルニア湾

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Gulf_of_California

2013年3月17日放送「THE 世界遺産」は、「巨大生物が集う1000キロの湾 ~ カリフォルニア湾の島々と保護地域群(メキシコ)」でした。

 

 

カリフォルニア湾は、メキシコ本土とカリフォルニア半島の間に延びる、全長1000kmの細長い湾です。

不思議な形をした島々や岩礁が900も浮かぶ、コバルトブルーに輝く美しい海です。

 


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知られざる命のドラマ

カリフォルニア湾南部の港町ラパスから出発し、カリフォルニア半島に沿って北上する10日ほどの航海です。

陸地に広がる高い山地や乾いた大地が、周りの海を人間の開発から守ってきました。

好奇心旺盛なハンドウイルカが船に近づいてきました。

4mと小型のジンベエザメに遭遇。

成長すると12mにもなる世界最大の魚です。

大きな口でプランクトンを海水ごと丸呑みします。

 

夜、海面に向けてライトを焚くと、照明の光におびき寄せられて海が濁って見えるほど大量のプランクトンが集まってきます。

そのプランクトンを目当てにカニや魚、イトマキエイ(モブラ)が寄ってきます。

昼間、イトマキエイの群れを発見。

大きな胸ビレを羽ばたかせて宙を舞い、海面を連続ジャンプしている姿は、まさに空を飛ぶエイです。

イトマキエイは大きなもので2mにもなり、数千匹の群れを作るそうです。

ジャンプしているのはオスで、大きな音を立てることで、水中で待っているメスに強さをアピールしているのではないかといわれます。

 

カリフォルニア湾は陸地も世界遺産に登録されています。

サボテンが群生

ツノトカゲの仲間
体長8センチほどの固有種
アリなどの昆虫を捕食しています。

枯れ木を住処にしている
フタアシミミズトカゲ
薄いピンク色の体色
顔はウーパールーパーのようです
昆虫を捕食しています
後ろ足は退化していて、前足を使って土の中に穴を掘ることができます。

 

サン・ホセ島は海に浮かぶ「四角い庭園」

波や風など自然の力によって作られた造形です。

深海からそびえ立つおよそ900の島々が浮かぶカリフォルニア湾。

エスピリトゥ・サント島では、繁殖期のアメリカグンカンドリのオスが赤い喉袋を風船のように膨らませてメスにアピールしています。

海鳥の糞で白く染まった岩の島、雨が降るとフンは海に流れ落ち、小魚のエサになるのだそうです。

島に集まる海鳥は、その小魚を狙ってやってくる・・・、そこにはまさに、命の循環が存在しています。

 

生命の豊かさの秘密は独特の地形にあります。

近年、サン・ホセ島の古い地層からクジラの化石(背骨の一部)が発見されました。

このクジラの化石の発見は、昔、その近辺が海の底だったことを物語るものです。

およそ500万年前に起きた地殻変動によって、大地が裂けたことにより、半島を陸地から分断すると同時に水深の深い海ができたのだそうです。

カリフォルニア湾の海底にはカリフォルニア地溝帯が延びていて、深い場所では水深3700mもあるそうです。

深海の豊富なミネラル分が湧昇流(ゆうしょうりゅう)に乗って海面に運ばれ、プランクトンを大発生させます。

プランクトンを目当てに多くの魚が集まり、その魚の群れを追って大型動物もやってくるのです。

 

ハセイルカの群れが現れるのは、魚を追っている印です。

許可を得れば、釣りをすることができます。

スマ(カツオの仲間)が釣れました。

 

ラパスでは、チョコラタ貝の刺身。
貝を生のまま、レモンを絞って頂きます。
アオヤギ貝に似た風味。

チョコラタ貝のホイル焼き
タマネギ
レタス
トマト
炒める
貝殻に盛り付け
上からチーズをたっぷりかけて
ホイルに包んで
炭火焼き

 

カリフォルニア湾は全世界に生息するクジラの種類の3分の1が集う場所でもあります。

冬に出産して子育てを行うコククジラ。

人なつっこい性格のため、かつて乱獲されて数を減らしたそうです。

シロナガスクジラは大きくなると30mにもなります。

1日に6トンものオキアミを食べるそうです。

噴き上げる潮は9m。

 

幻のクジラが船の下に。

イワシクジラは15mほど、世界一速く泳ぐクジラはすらりと細長く美しい流線型のボディをしています。

噴き上げた潮に虹ができました。

小型ボートで追跡。

イワシの群れに時速50kmで突進するそうです。

一度海中に潜ると、あっという間に数キロ先まで移動してしまいます。

2頭の親子連れを発見。

イワシクジラたちは湾から出ることなく、冬に出産し、6ヵ月ほど子育てを行うそうです。

しばらくして彼らは海に消えていきました。

 

小さな岩礁にカリフォルニアアシカの群れの姿。

海面に浮かびながら片方の前ヒレを掲げる仕草は、熱を逃がして体温調節を行っているのだそうです。

アシカがコロニーを作る島が数十ヵ所存在するといいます。

アシカは優秀なダイバー。

生後4ヵ月の子どもは人間が気になって仕方がない様子。

 

かつてカリフォルニア湾を旅した人物、アメリカ合衆国の作家ジョン・スタインベックが残した航海日誌には「これぞ命の海だ」と記されていました。

 

コバルトブルーの海の中には、もう一つの命みなぎる地球があります。

 

 

アクセス:メキシコ(ラ・パス(La Paz)は、メキシコのバハ・カリフォルニア・スル州の州都)

カリフォルニア湾の諸島と保護地域
Islands and Protected Areas of the Gulf of California

 

 

(2013年3月24日は放送休止です)

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