スネアーズ諸島:ニュージーランドの亜南極諸島(New Zealand Sub-Antarctic Islands)

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Snares_Islands

2013年2月9日放送「世界ふしぎ発見!」(第1262回)は、「南極海のラストフロンティア スネアーズ諸島の秘密」(ミステリーハンター:鉢嶺杏奈(はちみねあんな)さん)でした。

 

 

ジャングルに覆われたような緑の森が広がるスネアーズ諸島(Snares Islands)は、南極海に浮かぶ小さな島で、木登りや岩滑りをするスネアーズペンギンが支配する島です。

ニュージーランドの南東沖、南太平洋にあるスネアズ諸島、バウンティ諸島、アンティポデス諸島、オークランド諸島とキャンベル島の5つの諸島からなる世界遺産「ニュージーランドの亜南極諸島(New Zealand Sub-Antarctic Islands)」の一部に登録されています。

手つかずの自然が残る希少な場所として、環境保全のために、普段は人の立ち入りが厳しく禁止されています。

今回の取材の交渉は3年越しで進められ、鳥類の研究調査に同行するというかたちで実現したのだそうです。

 


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スネアーズ諸島への旅は、ニュージーランドの南島から始まります。

南端にあるインバーカーギルはかつてイギリス入植者によって拓かれた人口5万人の港町です。

ニュージーランド環境保全局では、生態系を壊す恐れのある生物や植物を持ち込まないようにするため、島に入る前にスタッフ全員の荷物検査が行われます。

調査スタッフのジョー・ヒスコックさん、ピート・マックシーランドさんと合流。

 

ブラフ港から帆とエンジンのハイブリッド動力のエヴォイ号でスネアーズ諸島へ向かいます。

船室は快適な設備があり広いです。

エヴォイ号のキッチンを覗くと、日本人の調理スタッフ藤原裕美さんが3年前から船のスタッフとして働いているそうです。

イワシの生姜煮
豆腐の炒め物
ニンジンとネギの味噌汁
などの料理は、スタッフに大人気だそうです。

出航は夜です。

17時間の船旅は大揺れです。

辺りの海域は、古くから船乗りたちから「吠える40度」「狂う50度」と恐れられてきた南極付近の暴風域で、荒海が広がっています。

スネアーズ諸島は、18世紀後半までその存在すら知られていませんでした。

1791年にイギリスの調査船が暴風雨の中で発見しました。

船舶を罠(スネア:snare)に誘い込むような島だという意味で名付けられたそうです。

上陸には海流が強いためゴムボートで近づくと、周辺の海にはペンギンの群れが泳ぎ回る姿が見られました。

ペンギンたちは上陸すると断崖の斜面を器用に登り、その群れは先に続く森の奥へと移動していきました。

 

【クイズ1】
ペンギンという呼び名の由来となった「ペングウィーゴ」とは?
→太っちょ

初めて見た印象が名前の由来になったそうです。
ペングウィスはラテン語で太っちょ

 

 

当初は船内泊(海上に停泊させた船上での宿泊)を前提条件とした上での取材許可でしたが、エヴォイ号の船長スティーブ・カフカさんによると、悪天候のため島に停泊し続けるのは難しいとのことで、緊急ミーティングが開かれました。

話し合いの結果、取材班を信頼し、島内にある研究用の小屋での宿泊を許可してくれました。

島内にあるDOC((DOC:Department of Conservation)ニュージーランド環境保護局)の簡易施設2つのうち1つを宿泊用にさせてもらいました。

森の中を進むこと40分。

夜行性のニュージーランドアシカが昼寝している場面に遭遇しました。

 

上陸して約3時間。

直径100mほどの円形に開けたスネアーズペンギンたちのコロニーに到着しました。

集団で子育てをする場所です。

スネアーズペンギンはスネアーズ諸島の固有種で、目の上に眉毛のように生えた金色の冠羽がトレードマークです。

フワフワのグレーの羽毛をまとったペンギンのヒナたちが身を寄せ合っています。

コロニーは島内に160ヵ所ほど存在しているそうです。

親鳥は鳴き声だけでヒナを判別し、自分の子ども以外にはエサを与えないそうです。

コロニーの生息数をカウントすると700羽に対して60羽が死んでいた。

親鳥が交代でエサを獲りに行くため、怪我をしたり外敵に襲われるなどで片方でも親鳥が死んでしまうと、ヒナも死んでしまいます。

 

スネアーズペンギンは岩場の斜面を滑らずに歩けるように爪が発達しているのだそうです。

東側の断崖では、高さ300mにもなる急斜面の上からエサ場の海に向かって命懸けでの岩場を滑り降りていく親ペンギンたちの群れがいます。

水中に潜って自由を得たペンギンはスイスイと自在に泳ぎ回り、その姿はまるで空を飛んでいるかのようです。

ペンギンはもともとは海鳥でしたが、大空を飛ぶことを捨てた代わりに両羽は水をかくためのフリッパーと呼ばれるヒレのように、体の形は水の抵抗を受けない流線型に進化しました。

 

【クイズ2】
ペンギンが体に溜まった塩分を出す仕草とは?
→首を振る
海水を沢山飲んだ後、上陸すると首を左右に振り、目の上にある塩類腺から鼻水として出すそうです。

 

 

飛べない鳥スネアーズスナイプ(Snares Island snipe)もこのスネアーズ諸島の固有種です。

夜行性なので夜の調査でした。

2羽を捕獲して、性別、体長の計測や採血などデータを取り、ナンバリングをします。

スネアーズスナイプが絶滅してしまった島に放鳥し、繁殖させて再び根付かせるための活動なのだそうです。

 

雨が降る小屋の前でアシカがお出迎えです。

雨が降ると泥炭質の土壌がぬかるみに変わります。

オレアリアの木は幹が地を這うように横に低く延びます。

強い雨風が吹き付けるスネアーズ諸島ですが、オレアリアが縦横無尽に幹を生やした森の中はシェルターのようにペンギンたちのコロニーを守っているそうです。

 

南極海の他の島と違って緑が豊かなのは、6万2千羽のペンギンたち、また地面に穴を掘って巣作りを行う300万羽ものハイイロミズナギドリなど海鳥たちの糞が土壌を豊かにしているからです。

土壌が雨によって流れ込む海は濁っていて、その栄養分がプランクトンを増やし、魚を育て、それがまた海鳥のエサとなり、栄養が循環しています。

海水温の上昇によりエサとなる魚が水温が低い海域に移っていく海域ではペンギンが餓死しているそうですが、スネアーズ諸島の生息数は変わっていないそうです。

 

【クイズ3】
モテるオスペンギンの特徴とは?
→低い声
メスは丈夫な子を埋めるように体の大きなオスを選ぶが、その基準になるのがオスの太く低い声です。

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